札幌市教委 6年度特別支援学級 小中10校新設 356人増 通級は小3校、中1校開設
(札幌市 2024-08-29付)

 札幌市教委は本年度の特別支援教育の状況をまとめた。市立小・中学校における特別支援学級の在籍者数は前年度比356人増の4512人。特別支援学級の新設は小学校が4校、中学校が6校で、近年は聴覚、肢体不自由、病弱の障がい種ニーズが高い。通級指導教室(通級)は小学校3校、中学校1校で新たに開設。特別な支援を必要とする児童生徒が増加傾向にある中、子ども一人ひとりのニーズに応じた学びの保障を進めている。

 本年度の特別支援学級在籍者数の内訳をみると、小学校が前年度比320人増の3223人、中学校が36人増の1289人となった。小学校4校、中学校6校で難聴、知的、病弱、情緒の特別支援学級を新設している。 

入学・卒業等によって閉級・新設などの流動はあるものの、小学校は特認校の駒岡小、有明小、盤渓小、義務教育学校福移学園を除く計194校、中学校は大規模校で教室の確保が難しいなどの要因がある向陵中、札苗北中、八軒東中を除く計95校で設置の実績がある。

 通常学級の学習に概ね参加でき、一部特別の指導を必要とする児童生徒が通う通級指導教室は小学校19校、中学校8校に開設。本年度は小学校が信濃小、美しが丘小、八軒西小の3校、中学校が真駒内中の1校で新設となった。

 市立の特別支援学校で小学部・中学部を有する学校は3校で、いずれも重度の肢体不自由と重度の重複障がいのある児童生徒が対象となる。児童生徒の障がいの度合いによって、市内の道立特別支援学校に通学または通学区域内の障がい種に応じた特別支援学級に通っている。

 市教委によると、近年は聴覚障がい、肢体不自由、病弱の特別支援学級設置が徐々に増えているという。聴覚障がいに関しては、医療の高度化に伴う人工内耳の発達やICTの活用が進み、児童生徒の学びの場の選択肢が拡充していることが背景にあるとする。

 通級に関し、市教委は児童生徒の学びの保障に向けて開設に力を入れている。自校や近隣校に開設していない場合の保護者の送迎負担が課題となっており、令和3年度以降は小学校2校、中学校1校ペースで設置を進めている。担当者は「支援が必要な子どもたちができるだけ近距離の校区に通えるよう、対応を進めていきたい」と話している。

(札幌市 2024-08-29付)

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