札幌市教委　心の健康観察アプリ　相談への気持ち定着を　モデル校の分析結果等報告

（札幌市 2024-09-03付）

　札幌市教委は８月２２日、心の健康観察アプリ「シャボテンログ」の活用に向けた第２回オンライン説明会を開催した。シャボテンログを提供するスタンドバイ㈱代表取締役の谷山大三郎氏が講話し、モデル校における分析結果と傾向などを説明。相談を受け止めてもらい、解決に近づくというプロセスを積み重ね、子どもたちの「相談しよう」という気持ちを定着させていく重要性などを説いた。

　シャボテンログは６月から全市立学校に導入。２学期以降、全学年での運用が始まっている。

　２回目の説明会は、養護教諭、ＳＣ、ＳＳＷを対象に、２学期からの本格運用に向けて効果的な分析方法などについて学ぶ機会とした。

　シャボテンログを提供するスタンドバイ代表取締役の谷山氏がアプリの実効性と有効な活用方法などについて講話した。

　市内のモデル校５校における活用データの分析結果を報告。心と体の調子、昨年１１月に実施したいじめアンケートの結果、児童生徒欠席数データの相関関係などを紹介した。

　いじめアンケートで「いじめが解決していない」「部分的に解決した」と回答した児童生徒の心の調子は「いじめが解決した」と答えた児童生徒より相対的に低いとの分析結果を示した。

　このほか、心の調子が悪いほど教師との接触頻度が低いと感じていたり、学校に行きたくないと思っていたり、欠席日数が増加していたりする割合が高い傾向を提示。

　「心の調子が悪いと、何かしら悩みを抱えている可能性が高い。日頃から見取ったり、先生方で情報共有を」と呼びかけた。

　子どもを見取るために活用できる機能として、健康観察ダッシュボード、個票、「話したいボタン」やアラートの履歴一覧（９月以降に実装予定）などを紹介。

　子どもたちが不安や悩みを表出していくためには①気持ちを発信・相談する②話を聞いてもらって受け止めてもらう③解決に近づく―の三つのプロセスを繰り返し経験し、成功体験を積み重ねていく重要性を強調。「この経験を通して、子どもたちの“相談しよう”という気持ちも定着していくと考えている」と伝えた。

(札幌市 2024-09-03付)