旭川神居小で道主催半導体体験教室　将来は技術者目指して　旭川高専・筧副校長が授業

（学校 2024-09-11付）

電子回路とＬＥＤをつなげて点灯させた

　【旭川発】旭川市立神居小学校（櫻井啓子校長）で５日、道経済部産業振興局主催の「北海道４高専による半導体体験教室」が開かれた。旭川工業高等専門学校の篁耕司副校長が講師として来校。児童たちは、半導体の材料として使われるシリコンウエハーに電流を流して抵抗率を確認したり、３色に光る発光ダイオード（ＬＥＤ）をつなげた電子回路に電流を流して点灯させたりする実験を通して、半導体が日常に欠かせないことを学んだ。

　体験教室は、道経済部産業振興局次世代半導体戦略室と旭川高専、函館高専、釧路高専、苫小牧高専の４校との連携事業。Ｒａｐｉｄｕｓ㈱による千歳市への工場建設を契機に、若年層における半導体を中心とした理系分野への興味・関心の向上を図り、地域の魅力をさらに伸ばして日本が発展し続ける原動力とするため、道内の小中学生を対象に実施している。

　当日、神居小の５年生５０人が参加した。

　冒頭、篁副校長が半導体について説明。電気を流しやすい金属と電気を流さない木材などの中間に位置する物体ということを話した上で「半導体は、電気を流したり、止めたりすることができるもの」と解説した。

　また、半導体が使われている物として基盤を露出させたニンテンドースイッチを見せ、半導体が身の回りの物に使われていることも紹介した。

　続いて、半導体の材料に使われるシリコンウエハーに電流を流す実験を実施。銅板やビニールなどとシリコンウエハーの伝導率を比較し、加工したシリコンが電気を適度に伝えやすいことを学習した。

　また、半導体が使われている３色ＬＥＤを点灯させる実験も行った。電子回路の位置を変えることで点灯する色が変わる様子を楽しみながら、家の照明など身近な物にも半導体が使われていることを学んだ。

　最後に、篁副校長が半導体の重要性を解説。昨今、急激な成長を見せるチャットＧＰＴや車の自動運転などに使われるＡＩには多くの半導体が使われることを話し「これからの産業の発展を支えるのはあなたたち未来世代。これを機に将来技術者を目指してくれたら」と呼びかけた。

　授業を受けた窪田くるみさんは「半導体がどういうものか分からなかったが、知れて良かった」「理科の授業で電気が苦手だったけれど、ＬＥＤの実験で興味を持った」と感想を話した。

(学校 2024-09-11付)