中標津農業高　草地更新課外授業　建設業の魅力に触れ　上田組協力　耕起や砕土等

（学校 2024-09-13付）

中標津農業高草地更新課外授業

　【釧路発】中標津農業高校（篠原圭校長）は１０日、草地更新事業の課外授業を行った。生産技術科の２年生１５人が、地元建設企業㈱上田組（標津、上田修平社長）の協力のもと、耕起や砕土、施肥播種といった土づくりの実務を学んだ。また、ドローンやＧＮＳＳ受信機による測量等、技術革新が進む建設業の魅力の一端に触れた。

　耕起や砕土など、酪農業に欠かせない草地の更新は、通常７、８年サイクルでの更新が理想とされているものの、同校では過去２０年間ほど、更新がなされないままに。このため同社は令和３年９月、近郊での道営農業基盤整備の施工の際、地域貢献活動の一環として同校の教育ほ場１㌶の採草地を更新した。

　さらに同社はボランティア活動を契機に翌４年、中標津町と同校の草地更新パートナーシップ協定を締結。１０年度までの７年間、採草地など教育ほ場の改良を無報酬で行う活動を開始した。採草地や放牧地など同校の教育ほ場は合わせて７・３㌶。締結後の４年度は草地１㌶を、５年度も草地１㌶を更新した。

　本年度の作業は１０日早朝から開始し、午前中にブルドーザーによる耕起、砕土、ホイールトラクターによる土壌改良剤散布を実施。午後からは課外授業に合わせて鎮圧、施肥播種作業を実施した。

課外授業に同社の職員１０人が参加し、生徒たちに施工手順を分かりやすく解説。更新によって牧草の収穫量が約１・５倍になることなどを説明する一方、建設現場での活用が進むドローンの操縦、ＧＮＳＳ受信機による測量の実務を指導した。生徒たちは地域の基幹産業である酪農業について学びを深めるとともに、ドローンや測量機器に初めて触れ、建設業で活用が進む最新技術についても関心を寄せた。

　また、草地更新で活躍したブルドーザー、ホイールトラクターの体験試乗では、両親が酪農業を営む生徒が、熟練したオペレーターからクラッチ操作を学ぶ場面も見られた。

　草地更新作業は生産技術科２年の授業に組み入れられ、土づくり等の実務を学ぶ機会となっている。

課外授業を終え、生徒代表の藤代生成さんは「貴重な経験ができた」と謝辞。今後のインターンシップ活動等で、建設業についてさらに学んでいく意向を伝えた。同社の遠藤直人取締役営業部長は「建設業がどういうものか、建設業のやりがいとはどういうものか、少しでも感じていただきたい。就職先の一つとして上田組があることを希望する」と、地域を支える建設業を進路の選択肢の一つとすることを期待した。

(学校 2024-09-13付)