釧路江南高 探究チャレンジで タブレットスタンド開発 ニトリ店舗、ネットで販売中
(学校 2024-09-17付)

江南高校探究チャレンジ
右から小湊教諭、田口さん、熊野さん、中越さん

 【釧路発】釧路江南高校(伊藤新一郎校長)は、生徒が道教委の「探究チャレンジ」の一環で(株)ニトリホールディングスと共同開発した「タブレット・ブックスタンド」を試売している。同校3年の田口徠未さん、熊野未唯さん、中越歩さんの3人が発案し、約2年かけて商品化したもの。商品は、全国のニトリ29店舗およびインターネット通販で販売している。

 道教委は、道立高校において各教科での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていくための教科等横断的な教育を推進することで生徒の多様な可能性を育み、将来の北海道を支える人材を育成することを目的に4年度からS―TEAM教育推進事業を実施している。

 同校では、事業の柱の一つ「“社会との共創”推進プロジェクト(アントレプレナー型)」に4年度から参加し、ニトリホールディングスと共同で商品開発を進めてきた。

 商品名は「タブレット・ブックスタンド」。タブレット等の端末の落下・破損に困っている生徒たちの要望に応えようと発案したもので、机の縁に固定したスタンドに端末などを立て掛けることで、机上のスペースが確保できる。

 開発に費やした期間は約2年。4年度の探究チャレンジ北海道で商品のアイデアを見たニトリホールディングスの白井俊之社長が「ぜひ商品の開発に協力したい」と申し出たことをきっかけに、生徒たちは商品化に向け探究活動や同社商品開発部との会議を重ねてきた。

 商品は、校内で生徒が使用することを想定し軽量化を図ったほか、価格設定、収納のしやすさなどにこだわった。素材にはSDGsを考慮し、廃材を活用した合板「MDF」を使用。今後の改善点として生徒たちは「一般家庭でも使えるように、台座部分を回転させたい」「廃棄する際にCO2を排出しない作り方を探したい」などを挙げた。

 熊野さんは「アイデアを考えるのに苦労した。放課後や冬休みも活用して、どうすれば使いやすい商品になるかを話し合えた」と語った。

 田口さんは「商品開発にかけてきた年月がとても長かったので、完成した商品が店頭に並んでいるのを見て、とても感動した」と話した。

 中越さんは「商品を使う人のことを深く考えて製作に臨んだ。考える過程の重要さを学んだ」と振り返った。

 指導を担当した小湊秀子教諭は「生徒たちが2年間全く妥協せず、自走していく様子には私の人生観も変えられた。ぜひ校種を問わず様々な学校での使用を検討してほしい」と期待を込めた。

(学校 2024-09-17付)

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