交通環境学習で３・５年社会科　１０～１１月副読本発行　路面電車や地下鉄題材に　札幌市

（札幌市 2024-09-24付）

　札幌市まちづくり政策局は、交通環境学習（モビリティ・マネジメント学習）の一環で、３年生と５年生の社会科学習で扱う副読資料を製作している。市立学校の教職員や市教委の指導主事と構成する「札幌らしい交通環境学習プロジェクト」が編集。路面電車や地下鉄など市の公共交通を切り口とした学習プログラムで、本年度は１０～１１月ころに発行する予定。市の担当者は「市長部局と市教委、学校が連携し取り組むプロジェクトとして先進的に進めている」と話している。

　年間降雪量が６㍍に達する積雪寒冷地にあり、人口１９０万人を超える市において、子どもたちに自動車や公共交通機関を「賢く」使い分けることができる大人になってもらおうと、平成２３年度から開始した。

　学識・有識者、市教委、小学校関係者などからなる「札幌らしい交通環境学習検討委員会」では、授業・教材プログラムを検討。実践の普及に向け、４年度までに計４０本の研究授業を実施した。

　毎年発行している副読資料は、３年生と５年生の社会科における児童向けの学習資料と、教師向けの指導書。学習指導要領に沿って、３年生は公共交通、５年生は情報または流通の選択単元で２学期に学ぶことができる。

　年代ごとに異なる鉄道、地下鉄、バスなど公共交通のイラストシールでまちづくり年表を使い、公共交通の歴史を楽しみながら振り返ることができるコンテンツも用意。授業づくりをしやすい環境をつくるため、学習用のデータやグラフ、指導案はホームページからダウンロードできるようにしている。

　「札幌らしい交通環境学習」の取組は、５年度の日本モビリティ・マネジメント会議のポスター発表でエコモ財団賞も受賞。市の担当者は「市長部局と市教委、学校が連携してモビリティ・マネジメント教育を広げる自治体は珍しく、財団からも高い評価を受けている」と話す。

　現在は本年度の資料の作成を進めており、１０～１１月に完成する予定。年度末の単元で扱えるよう、市内の全小学校に配布する。

(札幌市 2024-09-24付)