ベネッセのテストパーク試験導入 4~6年算数・理科 テストCBT移行 採点時間削減など負担軽減 札幌中央小(札幌市 2024-09-20付)
1人1台端末が導入されて約3年。授業だけではなく、テストでも端末を活用するCBT(Computer Based Testing)の動きが徐々に進んでいる。札幌市立中央小学校(冨波修校長)は本年度、(株)ベネッセコーポレーションが7年度にリリース予定の「テストパーク」を試験導入し、4~6年生における算数と理科のテストを全てCBTに移行している。採点時間の削減、外国にルーツを持つ児童への対応など、教員の負担軽減や児童の学びやすさに効果が表れている。
「それでは始め」。担任の仲川和磨教諭のかけ声に合わせて、児童たちは一斉に端末へと視線を向けた。8月下旬、5年4組で行われた算数「小数のわり算」の単元テストの様子だ。
「5・88÷2・45」「3・36÷2・1」など画面上に表示された計算問題に、タッチペンや指を使って解答を入力した。テストを受けた児童は「最初は慣れなかったけれど、今は紙のテストより入力しやすい」「ボタンを押すだけで提出できるので楽」などと好感触だ。
仲川教諭も「子どもたちはすぐに操作に慣れ、意欲的に取り組むことができている。記憶の新しいうちに返却されることが振り返りのしやすさにもつながっている」と手応えを語る。
テストパークは、ベネッセコーポレーションが提供する学習支援ソフト「ミライシード」の大幅アップデートに伴い、7年度にリリース予定のCBTシステム。現在、全国の一部の学校に試験導入し、現場の声を反映したシステムとすることを目指している。
中央小は、同社のソフトウエア開発に協力する形で、4~6年生の算数と理科で活用。全ての単元でテストパークを活用したCBTへの移行を試みている。
担当の中里彰吾教諭が実感している成果は①即時返却②リモート受験の実現③採点時間の削減―の3点だ。
テストパークには自動採点機能が搭載されており、調整が必要な記述問題などを除き大部分の問題が自動で採点される。これまで1時間以上を要していた採点時間は「5~15分程度で終わるようになった」と話す。
これによって、テスト後すぐに結果を返却することが可能に。児童の復習や教員の日常の見取りに生かすことができている。
外国にルーツを持つ児童への対応でも効果が生まれている。テスト画面上にある翻訳機能をクリックすると、ブラウザ標準の翻訳機能で問題文や選択肢が瞬時に外国語に変換される。これまでは、教員が手作業で翻訳し、テスト用紙を別途用意する必要があったが「負担軽減につながっている」と実感する。
このほか、図形や文字のサイズが拡大できるなど、多様な児童たちに対応できる機能が備わっている。「子どもたちの学びやすさにつながれば」と期待する。
今後は、活用を続けて蓄積されたデータをどう活用していくかが課題だという。児童の学びの深化に向け、ベネッセと共に試行錯誤を続けている。
(札幌市 2024-09-20付)
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