札幌市教委 帰国外国人児童生徒指導 本町小に統括事務局 日本語指導協力者にノウハウ(札幌市 2024-09-19付)
日本語指導が必要な帰国・外国人児童生徒の支援の充実に向け、札幌市教委は10月から、本町小学校に指導協力者を統括する事務局を設置する。当該児童生徒数の増加とともに、支援に携わるボランティアの増員を図ったための対応。指導経験が豊富な協力者が、新しい協力者へノウハウを助言することで、組織体制を一層強化する。
札幌市内の小・中学校では、近年、日本語指導が必要な帰国・外国人児童生徒数が増加している。本年度は12日時点で178人と、過去最多を記録。市教委が帰国・外国人児童生徒教育支援事業の一環で指導協力者の派遣を開始した平成18年度と比較すると、約15倍に達し、30年度以降、右肩上がりで推移している。
市教委によると「従来は北海道大学の留学生として家族で来日するケースが多かったが、近年は新型コロナウイルス感染症5類移行による渡航制限の緩和、企業の労働力の確保など様々な要因で、定住する家庭が増えたのではないか」という。
当該児童生徒が在籍している学校数は本年度105校で、居住地は全区に散在。国籍は英語圏のほか、中国、モンゴル、ネパール、フィリピンなど多様化している。
学校現場の支援に向け、市教委は日本語指導を担当する教師を小学校5校、中学校1校に加配。加配を活用した巡回指導と併せて、日本語指導に取り組んでいる指導協力者が「特別の教育課程」を編成する学校に出向き、週2回、1回当たり2時間を目安とし、個人のニーズに応じて指導時間数を柔軟に調整し、学習支援を行ってきた。
支援の協力者を拡大するため、昨年12月には日本語能力試験など一定の資格を持つ者や日本語指導のボランティア意識が高い者で、市教委が認めた者を対象に公募し、有償ボランティアとして採用した。公募を含め、本年度は、計88人が指導協力者として、児童生徒の日本語の習得に向けた支援に携わっている。
派遣者数の増員に伴い、本年度後期からは協力者の派遣日程や連絡調整を管理する事務局を本町小に設置する。事業に長年携わっていた指導協力者1人と元学校関係者1人が統括業務を担い、新しく加わったボランティアへの助言などを通して、ノウハウの継承を図っていく方針だ。
◆高校接続へ対応を 安心できる環境に
日本語指導が必要な児童生徒数の著しい増加に伴い、市教委は前年度から指導の充実や高校への接続に向けた対応を本格化させている。
連絡推進会議の中の研修では、年2回当該児童生徒の在籍校に所属する教職員と指導協力者が交流する機会を設定。札幌国際プラザと連携し、当該生徒や保護者などを対象に、高校進学に向けた手続きを説明するガイダンスを開くなど、学校や家庭のニーズに沿う取組を模索している。
担当する大井一雄教育課程担当課長は「日本語指導が必要な帰国・外国人児童生徒が言葉を学ぶためだけではなく、安心できる学校生活で個性を生き生きと発揮できる環境づくりが大切。心のケアや文化、習慣を共に理解し、丁寧に関わっていけるよう、市教委としても支援を充実させていきたい」と話している。
(札幌市 2024-09-19付)
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