小児慢性特定疾病の子自立に向け　総合相談窓口設置へ　札幌市　北大病院と共同で

（札幌市 2024-09-19付）

　札幌市の秋元克広市長は、１３日の定例記者会見で１０月から、北海道大学病院と共同で小児がんや心臓の病気などの慢性疾患を抱える子どもたちの自立に向けた総合相談窓口を設置する方針を示した。看護師資格を持つ自立支援員が対象者の生活や就学、各種支援制度などの悩みを整理し、関係機関との連携や支援制度の紹介を行うもの。不安を抱える子どもに対するきめ細かな支援の実現を目指す。

　小児慢性特定疾病は、小児がんなど国が指定する７８８疾病が対象で、市内では約２０００人が医療費の助成を受給している。

　慢性特定疾病を抱える子どもたちの約７割は、障がい福祉サービスや医療的ケアの対象外となっており、その多くは通常の学級に所属している。病気治療のため、長期の入院や入退院を繰り返すことで、学習の遅れや将来の就職に対する不安を抱えながら生活を送っている子どもが多く生活しており、自立や就労に対する対応の強化が課題となっていた。

　慢性特定疾病児童等の自立に向け、今回設置した相談窓口は北海道大学病院と連携し、看護師資格などを持つ自立支援員が相談を総合的に受け付ける。医師や看護師など多職種・他機関と連携しながら、子どもたち一人ひとりの支援に寄り添うことを目指す。

　相談は電話やメール、専用ホームページで予約を受け付けており、事前予約による対面での相談も行う予定。

　相談窓口は北海道大学病院としているが、同院以外の病院に通っている子どもの利用も可能としている。秋元市長は「小児慢性特定疾病に対する市民の理解を深めるきっかけにしたい」と述べた。

(札幌市 2024-09-19付)