元校長の“学校アップデート!” №15 他者との違いを認めて仲良くする(札幌市 2024-09-25付)
集団活動には、同調圧力が生まれることがあります。「仲間だろ」の一言で、その集団活動に参加しないといけない気持ちにさせられてしまいます。集団活動を「仲間だから」と理不尽なことを強要するゆがんだ集団主義にしてはいけません。集団活動においては、常に全員の思いが実現されるわけではなく、時には折り合いをつけて自分の思いとは異なる決定に従わなければならないこともあります。ともすると仲間が、集団の中に個を埋没させる「窮屈なもの(他者との違いを認めず同質化を強制する集団)」になってしまう危険性があります。だからこそ教師が、子どもたちの自主的・実践的な集団活動を子ども任せにすることなく、適時適切な指導を行う必要があります。もちろん集団活動において「納得を伴った協調的な行動を取って協力する」ことは必要なことです。
特別活動では、学校という「小さな社会」の中で目的意識と役割意識をしっかり持たせ、様々な集団活動を通して仲間意識と所属意識を高めていくことが大切です。仲間意識に「命令によって強制的に服従させられる」という概念はなく「没個性化」を求めるものでもありません。「みんなで活動することの楽しさ」「自分は仲間に支えられているという安心感」を得て、他者とは異なる自分の良さに自信を持つために役立つものです。仲間意識を育むためには、違いを認めることが必要不可欠です。
1年間を四つの育ちの過程に分け「2期4節」のそれぞれの節に目標を設定して教育活動を展開している小学校が多いと思います。四つの節は、主体的に活動する力を育むためのステップです。3節(10~12月)では、特に「違いや多様性を認め合い、仲間との関わりを広げながら協力して活動する」ことに重点を置いて指導することが大切です。3節の指導のポイントは「価値付ける」です。中学校では「節」という考え方はないかもしれませんが、子どもたちの自主的・実践的な集団活動における教師の指導の在り方を共有して指導に当たることは必要です。
平岸西小では、職員室に3節の指導のポイントを書いた移動黒板を持ち込み、職員集会等で伝えていました。
〇目的意識(何のために活動するのか)と役割意識(目的の実現に向けて自分がで きることは何か)を持ち、自ら「する」子どもの姿をつくり出すようにする。
○「高め合う」ためには、違いを認めることが必要である。「みんな違ってみん ないい」は「違っても」ではなく「違うから」である。
北原徹也 (北海道特別活動研究会顧問、元札幌市立平岸西小学校長)
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(札幌市 2024-09-25付)
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