札幌市教委　６年度奨学金応募者　過去最多３２１０人に　採用枠拡充で倍率１.７倍

（札幌市 2024-10-07付）

札幌市奨学生　採用者数の状況

　札幌市教委が独自に支給している奨学金の本年度応募者数が、過去最多の３２１０人に上った。本年度から採用枠を１９００人に拡充したことから、倍率は０・３ポイント下降し１・７倍となった。

　市教委は、能力があるにもかかわらず経済的理由で修学が困難な学生・生徒を応援し、有用な人材を育成することを目的に、返済義務のない給付型の奨学金を昭和２６年度から実施。

　大学等・高校等の区分、国公立・私立の種別に応じて月額６０００～９０００円を支給している。

　ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済状況の変化などを背景に応募者が増加傾向にあり、５年度は応募者数が２５９１人、倍率は２・０倍といずれも過去最多を記録した。

　より多くの人に支援が行き渡るよう、市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン２０２３に基づき、６年度から採用枠を１５００人から１９００人に拡充した。

　特に、倍率が５倍以上となっていた大学等の部で重点的に採用者を増やした。その結果、次年度に進学予定の者を対象とした「予約採用」で３・５ポイント下降し５・４倍、在学中の者を対象とした「補充採用」で６・２ポイント下降し１・３倍となった。

　高校等の部を含めた全体の応募者数は、前年度からの継続採用が９４５人。予約採用が７１４人で倍率は前年度と同率の２・２倍、補充採用が１５５１人で、倍率は２・１ポイント下降し２・５倍となっている。

　市教委は、制度に基づき支援を推進していく考え。「必要があればぜひ活用してほしい」と呼びかけている。

(札幌市 2024-10-07付)