学校施設維持更新基本計画改定案 リニューアル改修 レベルアップ 築100年使用へ予防改修 札幌市教委
(札幌市 2024-10-07付)

 札幌市教委は、学校施設維持更新基本計画の改定案をまとめた。改築事業のさらなる平準化と一層の長寿命化を目指し、リニューアル改修のレベルアップと予防改修の導入を盛り込んだ。これによって、築100年までの使用を目指す。学校プールについては解体が必要となる場合、原則、外部のプール施設を活用した水泳授業に移行する方針を示した。

 現在、市立幼稚園・学校施設は315校ある。その多くは1970~80年代の児童生徒急増期に建設され、築30年を超える施設が約8割に上っている。

 物価高騰などによる事業費の増大、年少人口の減少に伴う小規模校の増加、教育環境の機能向上に向けた整備、まちづくりの拠点としての学校づくりなど、当初計画策定時から数年が経過し新たな課題や社会的ニーズが発生。学校施設の維持更新に係る財政負担が年々大きくなる中、改築事業量の平準化を図ることが求められている。

 小・中学校292校のうち2060年度までの間に小規模化が見込まれない学校を基本に、義務教育学校化や規模適正化に必要な学校施設の観点を踏まえ、174校を改築対象校と仮定し、維持更新に向けた方向性をまとめた。

 計画期間は、市有建築物全体の改築・保全費用のピークが2040年ごろになることを踏まえ、当初計画と同様2044年度までとしている。

 さらなる平準化と一層の長寿命化を目指し、リニューアル改修のレベルアップを図る考え。現行のリニューアル改修に排水管や電気配管などの改修を追加する。

 複雑かつ危険を伴う作業が増え、工事期間中に児童生徒が校舎を使用しながら行う「居ながら改修」が困難となるため、今後のリニューアル改修は仮設校舎を使用して実施する方針だ。

 さらに、予防改修を導入し、外壁・防水の改修(建築改修)や照明機器・暖房設備の改修(設備改修)などの原状回復をリニューアル改修の前後に実施していく。これによって、築100年までの使用を目指す。

 これらを踏まえ、改築を年2校、リニューアル改修を年2~4校のペースに見直した。年間総事業費には約280億円(一般財源は約100億円)を試算している。

 付帯施設等については、新たにグラウンド、武道場、バスケットゴール、LED照明器具、バリアフリー化、冷房設備の整備に関する考え方を盛り込んだ。

 学校プールについて、老朽化によって大規模修繕または更新の必要がある学校や、校舎改築工事の影響で解体が必要となる学校は、原則、区温水プールや民間スイミングスクールなど学校以外のプール施設を利用した水泳授業に移行していく方針を示した。

 9月20日の教育委員会議および10月1日の市議会文教委員会で報告した。今後、パブリックコメントなどを経て年内の策定を目指す。

(札幌市 2024-10-07付)

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