元校長の“学校アップデート！”　№１６　年度当初に評価の観点を伝える

（札幌市 2024-10-09付）

学校アップデート№１６年度当初に評価の観点を伝える

　学校評価に関わって「教職員アンケート」を実施して成果と課題を明らかにし、具体的な改善を図っている学校が多いと思います。学校経営方針は、年度当初(または前年度末)に提示され、前年度と全く同じ学校経営方針ではないにもかかわらず、評価の観点(教職員アンケート項目)が前年度と全く同じだったり、アンケートの実施時期に突然、新たな評価の観点が提示されたりすることはありませんか。年度当初の早い段階で評価の観点や評価基準を提示し、教職員は、あらかじめ評価の観点や評価基準を知った上で教育活動に取り組み「教職員アンケート」でどの程度達成できたのかを明らかにすることが大切です。

　そこで、学習指導要領が提示される順番(学習指導要領→解説→評価規準)と同じように、校長が学校経営方針(１月)→学校経営方針の解説(２月)→評価の観点および評価基準(３月)を提示し、新年度から新たな評価の観点で教育活動を展開していくようにしました。例えば、つぎのように評価基準を設定し、少しでも評価の観点に対するイメージを共有するようにしました。なお、「目標(・指導)と評価の一体化」を図るため、評価する教師自身が指導したかどうかを問う評価の観点にしました。

　校長は「説得力のあるビジョン」の素案をトップダウンでメンバーに伝え、全メンバーと共有しながら磨き上げていくようにします。ビジョンの共有が曖昧だと、個人目標はバラバラになります。ちなみにアップル社のスティーブ・ジョブズ氏は「情報処理ができる簡単に使えるコンピューターを個人が手軽に手に入る値段で提供し、全てのデスクや全ての家にコンピューターが置かれている」というイメージを社員と共有したそうです。

北原徹也　(北海道特別活動研究会顧問、元札幌市立平岸西小学校長)

(札幌市 2024-10-09付)