札幌市小学校教頭会　全市研修会　心理的に安全な職場を　市教委・菅野教職員部長講演

（札幌市 2024-10-10付）

　札幌市小学校教頭会（鈴木浩太会長）は３日、市内の白石区民センターで第２回全市研修会を開いた。市教委の菅野智広教職員担当部長が「これからの教頭職に期待すること」と題して講演。適切な判断力や心理的安全性の高い職場づくりなど、現場の最前線で活躍する教頭に求める資質・能力を説明した。

　開会に当たり、鈴木会長は、９月に北斗市で開かれた道公立学校教頭会渡島大会を振り返り、周囲と学び合い、自ら学び続けることの重要性を実感したと報告。８年度の全国公立学校教頭会札幌大会を見据え「より多くの皆さんに参加していただけるよう、大会の運営形態を検討している」と述べた。

　本年度後期に入り、中間評価を終えた学校もあるとした上で「経営の方針を具現化することが教頭に求められる重要な能力」と強調。

　教育活動の手段を検討、吟味し、今後の教育活動に生かすため、会を通じて「教育課程や日頃の悩みなどを交流し、解決に導く糸口にしてほしい」と呼びかけた。

　菅野教職員担当部長は講演で、個人情報の取り扱いについて言及。「学級の子どもや保護者に大きいダメージを与えるとともに、最前線で対応する管理職がつらい思いをする」とし、未然防止の徹底をあらためて確認した。

　多様化・複雑化する学校現場の最前線で対応する教頭に対し、身に付けてほしい資質・能力を列挙。子どもや保護者、教職員などの声を聴くために必要な傾聴力、正確で端的な説明力、最適な判断力等を挙げ、相手意識のある傾聴の心がけや複数人で聴くことが望ましい場面など、臨機応変に対応することの必要性を説いた。

　また、職場の人間関係の構築に向け、明るく風通しの良い環境の構築を求めた。

　不適切な言動や様々な対人トラブルの未然防止に向け、望ましい言語環境や適度な距離感など居心地の良い職場風土の意識を啓発し「距離の近さが健全とは言い難い。全体のバランスを見ることが教頭の立場であるため、アンテナをしっかり張り、誠実でぶれない軸を持って信頼関係を築ける職場づくりを」と呼びかけた。

(札幌市 2024-10-10付)