不登校・病気療養中の生徒対象に　遠隔授業　実施可否　判断前に面談を　札幌市教委　高校学び保障指針

（札幌市 2024-10-10付）

　札幌市教委は、市立高校等における不登校生徒および病気療養中等の生徒に対する学びの保障ガイドラインをまとめた。不登校生徒に対するオンライン授業について、実施の可否を判断する前に、生徒および保護者との面談を行うことなど留意事項を示している。

　５年８月に公表された中教審・高校教育の在り方ワーキンググループの中間まとめを踏まえて、国は、不登校生徒が自宅等から遠隔授業を受講した場合、３６単位を上限に単位認定ができるよう制度を改正し、ことし４月から施行している。

　ガイドラインは、この制度の運用に当たって市教委としての考え方などをまとめたもの。９月２５日付で市立高校、中等教育学校、高等部がある特別支援学校に通知した。

　不登校生徒への実施は、国の方針と同様、各学校長の判断によって可能とするものとの方針を示した。制度の趣旨を考慮し、できる限りスクールカウンセラーなどの専門家を含めた複数人で判断するよう求めている。

　判断に当たっては「学習意欲があるか」「在学期間中に不登校状態を解消し、卒業できる見込みがあるか」をポイントとしている。

　また、実施の可否を判断する前に、当該生徒および保護者との面談を行うことを提示。制度の趣旨を説明し理解を促すとともに、生徒および保護者の意向を十分に尊重し、実施が可能な方法・内容を合意の上、実施することを明記している。

　実施しないと判断した場合には、合理的な説明をするよう求めている。

　実施方法は、不登校生徒、病気療養中生徒共に同時双方向の遠隔授業（オンライン授業）を基本とする方針。学習の成果が教科・科目の目標から見て満足できると認められる場合に単位を認定することとしている。

(札幌市 2024-10-10付)