札幌市教委 教職員課に新ポスト 教員採用や広報を改革 負担軽減等へ応募フォーム(札幌市 2024-10-11付)
リニューアルした教員募集リーフレット
全国的に課題となっている教員確保。その対策として札幌市教委は本年度、教職員課に新たなポストを創設し、採用や広報活動の改革を進めている。7月に導入した臨時教員募集のウェブフォームは、応募者の負担軽減、応募から採用までの期間短縮などに効果が表れている。担当の藤井裕子主査(人事)は「より多くの教員を確保していきたい」と力を込める。
市の公立学校教員採用候補者選考における倍率の状況をみると、5年度までは4倍前後で推移していたものの、6年度は3・2倍、7年度は3・3倍と近年は3倍程度まで低下している。
学級数や育休を取得する教員が増えてきていることから、欠員を補充する臨時教員の確保も喫緊の課題だ。
こうした状況を踏まえ市教委は、教員採用に関する施策を強化しようと係長職のポストを新設。藤井主査が着任し、様々な取組を進めている。
履歴書の作成、郵送に係る負担軽減などが課題となっていた臨時教員の応募手続きは、オンライン申請サービス・スマート申請を活用したウェブフォームを導入。7月19日、教員採用候補者選考検査の第1次検査の合格発表に合わせて公開し、不合格者を中心にアプローチした。
ウェブフォームによる今月7日現在の応募数は計162件。20代からの応募が6割以上を占め、ICTの活用が日常的になっている若い世代のニーズに合致した。
応募者からは「手書きでの申請に比べ、時間短縮になり助かった」「郵送する手間が省け、コスト削減ができた」と好評だ。
藤井主査は「これまで応募を見送っていた潜在的な人材の掘り起こしにもつながっているのでは」と期待を寄せる。
応募から面接までの期間が短縮され、必要な時にすぐ人材を確保できたり、採用辞退を防いだりできるなど、市教委や学校にとってもメリットが大きい。「校長から候補者が見つかったと連絡を受け、その日の午後には既に応募されていたことがあった。スピード感を持った採用につなげられている」と実感する。
より多くの臨時教員が必要になる来年4月に向け、11月9日には臨時教員説明会を開催。終了後に履歴書を受け付けるなど、気軽に応募できる体制を整える考えだ。
2年度に作成して以来、そのままだった教員募集リーフレットのリニューアルにも着手。
「教員の仕事に対するマイナスイメージを払拭したい」との思いから、採用後のサポート体制の紹介に多くのページを割いた。研修制度、働き方改革、スクールカウンセラーなど専門職との連携体制、勤務条件などを取り上げている。
特にこだわったのは、採用3年目の教員のインタビューと併せてベテラン教員のメッセージを掲載したこと。若手教員を支える温かい目があることをアピールした。
11月ごろをめどにホームページのリニューアルも計画しており、それに合わせてリーフレットの製本版を各大学や高校、公共施設などに配布する考え。
藤井主査は「様々な広報手法を活用し、より多くの教員を確保していきたい」と話す。
(札幌市 2024-10-11付)
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