いじめ重大事態調査報告書　市教委に対応チームを　再発防止へ札幌市教委

（札幌市 2024-10-10付）

　札幌市教委は８日、市児童等に関する重大事態調査検討委員会がまとめた、いじめ重大事態に関する調査報告書を公表した。同検討委員会は再発防止策として、市教委内に対応チームを設置し組織横断的な対応を講じることなどを提言。国に対しても、スポーツ少年団など学校外の団体の対応の在り方を示すよう求めた。

　３年５月、当時小学３年生の児童が、同じスポーツ少年団に所属していた中学１年生の生徒から３回にわたり性被害を受けた。

　被害児童の保護者からの申し立てなどを受け、４年４月、いじめ防止対策推進法に基づくいじめ重大事態として市児童等に関する重大事態調査検討委員会（委員長・加藤弘通北海道大学大学院准教授）が調査を開始。ことし６月に報告書をまとめた。

　複数の学校や団体にまたがる複雑な事案だったことを踏まえ、再発防止策として、市教委内に対応チームを設置し、組織横断的に対応できる体制の構築を提言した。

　国に対しても、スポーツ少年団や塾、習い事などの指導・監督の在り方、責任の所在について「全国の知見を集め、どのような対応の仕方があり得るのか、指針づくりも含めて検討を」と要望した。

　８日の記者会見で市教委の喜多山篤児童生徒担当部長は、ことし４月に改定した市いじめの防止等のための基本的な方針に基づき「学校と連携していじめ防止に取り組んでいく」と述べた。

(札幌市 2024-10-10付)