北私幼・札私幼が教育研究大会 子が真ん中の保育を 澄川幼 多様な遊びへ工夫(札幌市 2024-10-08付)
色水を使った遊びを楽しむ子どもたち
第66回道私立幼稚園教育研究大会札幌ブロック大会・第55回札幌市私立幼稚園教育研究大会が、9月27日から2日間にわたって開かれた。テーマ「一人ひとりの“こどもがまんなか”をまもる質の高い幼児教育を~社会全体でつむぎ未来へつなぐために」のもと、札幌市内の私立20園、市立2園での公開保育などを実施。澄川幼稚園(米永桃子園長)では、園庭での多様な遊びの様子を公開した。
主催は、道私立幼稚園協会(北私幼、近藤宏会長)、札幌市私立幼稚園連合会(札私幼、藪淳一会長)。
初日に開かれた公開保育研究では、各園のテーマに基づいた実践を公開、交流した。
南区の澄川幼稚園は、テーマを「子どもと共に成長する保育者となるために~職員同士の共通理解、意識を高めるために」と設定。全クラス(幼児数92人)を対象とした園庭での外遊びの様子を公開した。
公開保育に当たっては、外部の視点を導入することで教育実践の質の向上を図る学校評価実施支援システム(ECEQ)を活用した。
①砂場遊び②コーナー遊び③ルールのある遊び―の三つのブロックに分け、それぞれに園の現状・課題などを踏まえた「問い」を設定。参加者は問いを視点に参観した。
砂場遊びについては、これまで、大きい砂場で水を使ったダイナミックな遊びなどを展開していたが「おままごと」をしたい子との共存を図るため、公開保育の約1週間前から小さい砂場を開放している。
小さい砂場では、型に砂を入れてケーキを作るなど、2~3歳児を中心にごっこ遊びを楽しむ姿が見られた。
同園は、個々の遊びから友達との遊びに広げていくための保育者としての関わりについて問いを投げかけた。
コーナー遊びでは、園庭の広さを活用し、泡遊び、色水遊び、的当てなどのコーナーを設置した。泡遊びでは、泡をカップに入れてパフェを作る活動を展開。職員は「この色を混ぜたらどうなるかな」「おいしそうにできたね!」などと声をかけ、子どもがイメージした遊びをつくり上げていけるよう働きかけた。
ドッヂボールや鬼ごっこなどルールのある遊びも展開。現状、参加しているのは年長が中心で、職員が関わりながら遊びを進めている。同園は、保育者がどこまで仲介するべきか、年長以外の子も楽しめる工夫などを問いとして設定した。
参加者は、参観して気付いた点などを付箋に記入。「イメージを膨らませられるよう、写真を用意していたのが良い」「異年齢が集まっているからこそ、年下の子の“やってみたい”という意欲につながっている」「ルールのある遊びでは、もう少し子どもたちに委ねる場面があっても良いと感じた」などの意見が上がった。
分科会に移り、付箋に書かれた意見をもとにより良い保育に向けた考えなどを交流した。
2日目は、市内のカナモトホールを会場に全体会を実施。福井大学子どものこころの発達研究センターの友田明美教授が「子どもの脳を傷つけない子育て~マルトリートメントによる脳への影響と回復へのアプローチ」と題して基調講演した。
(札幌市 2024-10-08付)
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