弟子屈高 道MA+CHプロジェクト 弟子屈探究 体制整備に注力 地域の大人との対話機会拡大(道・道教委 2024-10-17付)
硫黄山へのフィールドワーク
【釧路発】弟子屈高校(高野龍彦校長)は本年度、道教委の北海道MA+CHプロジェクト(地学協働まちづくり推進事業)の指定を受け、学校独自の探究学習「弟子屈探究」の体制整備に力を注いでいる。阿寒摩周国立公園の雄大な自然や地域の魅力への理解を深めるフィールドワークの充実を図るとともに、探究活動で招く講師の充実によって地域の大人たちの対話の機会を拡大。地域住民との交流を深め、地域が持つ魅力の再認識や郷土愛の育成につなげる。
同校が4年度から実施している弟子屈探究は①地域の資源や人材を活用し探究の方法を具体的に学ぶ「探究メソッド」②事前学習やまとめ、自己設定テーマの課題解決に取り組む「地域探究」③地域の内外で活躍する社会人の話を聞き、将来の職業観や人生観の醸成につなげる「自己探究」④探究テーマに基づいた過程を報告する「成果発表会」―の四つの活動を行い、地域課題の解決につなげる態度を身に付けている。
一方、探究テーマの設定に苦手意識がある生徒がいることなどの課題を踏まえシラバスを大きく改善。1学年のカヌーや釣りなどの体験学習やフィールドワークを充実させるとともに、地域の魅力や専門知識を語る講師の拡充を図り、2年生での自己設定テーマに関して講師と生徒をマッチングさせ、助言や支援を行う。
探究活動では、学年ごとに取組内容に関する目標を設定。3年間を通して郷土愛の基盤構築や社会貢献意識の向上、地域内進学・就職率の増加などを目指して人材育成に取り組む。
1学年は、屈斜路湖・摩周湖・硫黄山でのフィールドワークやカヌー、サップ、釣りなどの体験活動、フォトラリーをはじめとした身近にある自然について学習。地域の魅力を再確認するとともに、地域の現状への関心を深める。
2学年は他地域へのフィールドワークや職場実習をはじめ、1学年の探究活動から町の課題を見つけ出し、解決策を考えることでより深い学びを得る機会を設ける。
3学年は、3年間の学びの成果を町民に向けて発表。内容の実現に向けて生徒たちが実際に計画し、自走することを視野に入れた発展を計画している。
取組の推進体制として、町おこし事業に力を入れて活動している川上椋輔氏と、同校PTA会長の萩原寛暢氏の2人を地学協働コーディネーターとして指定。PTAや商工会、同友会など、町内の関係機関で同校を支える「弟子屈高校の教育を支える会」をコンソーシアムとして位置付け、学校運営協議会とワーキンググループを支える体制として、組織間で連携を図る。
町民、地元観光関連事業者、地域組織・各種行政機関で構成する「てしかがえこまち推進協議会」の人材育成部会との連携も図り、外国人観光客向けの摩周湖英語ガイドを継続するほか、海外研修の開始を視野に入れている。
本年度はワーキンググループ会議を中心に、地域探究学習の推進やイベントスケジュールワークショップなどを予定。部活動について市町村や小・中学校、少年団との連携を図り、大人たちと交流する機会を増やす予定。
高野校長は、外遊びをする子どもが年々減少し、地域と関わる機会が減っていることを懸念し「子どもたちが様々な大人との対話を通じて、学校だけでは得られない学びや弟子屈への愛を育んでくれたら」と期待を寄せる。
(道・道教委 2024-10-17付)
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