道教委・道P連が教育懇談会 理解得る意思疎通必要 保護者・地域の関わり再確認を
(道・道教委 2024-10-16付)

道教委・道p連意見懇談会
道教委・道P連意見懇談会

 道教委と道PTA連合会(後藤一樹会長)は12日、ホテルポールスター札幌で本年度2回目の教育懇談会を開いた=写真=。道教委各課の担当者が施策の進捗状況を説明し、質問・意見交流を実施。働き方改革を理由として学校との関わりが希薄化することを懸念する声が上がり、保護者や地域との在り方を再確認し、積極的にコミュニケーションを図る必要性を確認した。

 道教委の職員6人、道P連の役員・理事ら22人が出席した。

 開会に当たり後藤会長は、行政・保護者間で情報を共有する懇談会の意義を強調し「各地区で困り事があれば声を上げることが大切。子どもたちのため道教委と道P連は足並みをそろえていく必要がある」と述べた。

 続いて各課が説明。ICT教育推進課は端末・クラウドを活用した個別最適な学びや協働的な学びによる授業実践、「ICT端末を活用した家庭学習の手引」など保護者向け資料、デジタル教科書の導入状況を説明した。

 部活動改革推進課は部活動の地域移行の進捗状況や先行自治体の取組事例を、生徒指導・学校安全課は不登校児童生徒の学びの保障やいじめ防止に向けた施策を伝えた。

 健康・体育課は朝食摂取率の低さをはじめとする道内の子どもたちの健康課題や、地場産物を積極的に取り入れる食育の重要性について説明。教職員課は教員の時間外在校等時間の状況や教員の処遇改善など、国における検討状況を伝えた。

 説明後、質問・意見交流を実施。道P連は、ICTの利活用が進む中、子どもたちのコミュニケーション能力が低下することを懸念する声があり「あいさつができない子ども、目を見て話せない子どもも増えている。コミュニケーションを図りながらICTを活用できる教育環境を実現してほしい」と要望。学校の通信環境を改善する必要性も指摘し「自治体の問題だが、道教委からも声を強めてほしい」と求めた。

 部活動の地域移行に向けては、保護者負担の増加や地域格差の拡大が生じることのないよう期待。「保護者がいなくてもできていたことが(これまでの)部活動の意義。国に助成の必要性を強くアピールしてほしい」と述べた。

 不登校対応では、児童生徒のみならず、悩みを抱える保護者支援の充実に期待。食育に関する取組の地域格差の是正や地場産物を活用した実践事例の周知、食品ロス対策を要望したほか、給食を食べない子どもや給食の残食も増えていることから対応を求めた。

 働き方改革を理由に保護者・地域と関わる時間が減少していることや、3学期制から2学期制に移行する学校が増えていることを懸念する声も。道教委は「学校運営協議会の議題で働き方改革を取り上げるなど、保護者・地域住民による積極的なコミュニケーションのもとで共通認識を図り、様々な機会を通じて思いを共有することが大切」と回答し、保護者・地域の関わり方をあらためて見つめ直すとともに、納得・理解を得るため適切に意思疎通を図っていく重要性を確認した。

(道・道教委 2024-10-16付)

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