道研 工業科教員指導力向上研修 何を伝えるかを考えて 札工・諸橋校長の講話など
(道・道教委 2024-10-17付)

工業科教員指導力向上研修
工業科教員指導力向上研修

 道立教育研究所は10日から2日間、工業科教員の実践的指導力向上研修「工業科目の授業づくりの進め方」を開催した。工業科担当教諭8人が参加。札幌工業高校の諸橋宏明校長による講話や制御プログラムに関する演習などを通して、今後の工業高校に求められる授業づくりについて知見を深めた。

 道総合教育大綱の基本方針の一つ「地域と産業を担う人を育む」においては、新たな社会を拓くICT人材の育成が挙げられている。

 それを踏まえた情報活用能力育成の観点から、プログラミング教育の充実や生徒実習システムを活用した実験的・体験的な学習活動を推進する実践的指導力の向上を図る。

 集合型研修で行われたこの日は、諸橋校長が「魅力的な教育活動を創造・実践するために」と題して講話した。

 冒頭、諸橋校長は過去に衝撃を受けたというフューチャー・オブ・ワークの説明動画を紹介。3Dプリンターを活用した住宅施工や医療分野における全自動手術などを説明し「技術の進歩は非常に速く進むが、未来の社会に生きる現在の子どもたちはその準備ができているだろうか」と疑問を呈し、技術革新を見据えた工業教育に取り組むべきと指摘した。

 生成AIを例に、情報の信ぴょう性判断の重要性に触れ、学習指導要領を踏まえて教師自身が生徒に何を伝えるかを考える必要性を説いた。今後の少子高齢化を踏まえ「今のテクノロジーをどう使わせるのかを考えないと生徒は生き残っていけない」と強調。「探究」「課題研究」において、ものを作って終わりではなく「作ったものが誰の役に立つのか、どうしたら評価されるのかまでを生徒が考えることで、これからの社会への対応力を身に付けることができる」と提案した。

 工業教育推進の基本的考え方として①STEAM教育の加速化②分野の越境―の2点に触れ、新しい時代に向けた本道の工業教育を推進するために道工業高校長会でまとめたスクール・ミッションを紹介した。

 参加者はこのあと、制御プログラムや生徒実習システムを活用した授業づくり、学習指導案作成の実際について研鑚した。

(道・道教委 2024-10-17付)

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