札幌市教委　７年度以降学校プール　年３校程度解体の方針　水泳授業　民間プール活用

（札幌市 2024-10-18付）

　札幌市教委は７年度から学校プールを年３校程度解体する。市立小学校の水泳授業に関しては、民間プールの活用に本腰を入れる。維持管理の費用負担軽減が見込まれるほか、インストラクターの専門的な指導によって、児童の技能や教職員の指導力向上が期待される。

　札幌市教委によると、ことし４月時点で学校プールを整備している学校施設は小学校１８７校、中学校３校。このうち、築３０年以上が経過しているのは全体の約６割で、老朽化が深刻な状況となっている。

　プールの改修や維持管理には多額の費用がかかるため、元年度からは財政的負担を考慮する対策として、校外プールの活用を開始。一部の学校を指定し、学校近くの区民プールやスイミングスク―ル等を活用した水泳授業を実施してきた。

　６年度は市立小学校１９８校の約１割に当たる１６校が民間プールを活用。市教委は他施設利用に移行することで、維持管理費の約５０％のコスト減につながることが見込まれるとしている。

　試行的に実施している学校からは「教職員の負担軽減につながる」「専門的指導を受けられるため児童の技能向上や教職員の指導力向上が期待できる」など効果的な意見が多い。

　一方で、市内で学校の受け入れを可能としている校外プールは約３０ヵ所と、全ての小学校を受け入れるには厳しい状況にある。

　このため、市教委は学校プールの老朽化状況を踏まえ、２６年度までに年３校程度の解体を進める方針。概算費用には年間６０００万円を見込む。

　担当者は「市内にある民間施設と協議を進めながら、老朽化対策や水泳授業の在り方を検討していきたい」としている。

(札幌市 2024-10-18付)