道教委 学力向上へ改善の方向性 検証改善サイクル確立を 資質・能力育成視点に授業改善
(道・道教委 2024-11-07付)

 道教委の「6年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書」では、本道の状況について「検証改善サイクルの確立」「授業改善」「小中連携の推進」「望ましい学習習慣の確立」の四つの視点で分析し、質問紙調査の状況、改善の方向性を示している。検証改善サイクルの確立では、学力や学習状況の分析と成果や課題を検証し、主体的・対話的で深い学びの視点からの学習指導の充実と学習状況の改善を図る必要性を指摘。授業改善では、ICT機器を効果的に活用し、児童生徒が自ら学習活動を進めることができるよう、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図る大切さを示している。

◆検証改善サイクル確立

▼質問紙調査の状況・分析

 検証改善サイクルをよく行っている学校の授業では、児童生徒が自分に合った教え方、教材、学習時間などになっていると実感するとともに、学習した内容について見直し、つぎの学習につなげることができる傾向にある。

 また、こうした取組を行っている学校ほど、全ての教科の平均正答率が高い傾向にある。

▼改善の方向性

 各学校においては、子どもたちの学力や学習状況の分析と成果や課題を検証し、主体的・対話的で深い学びの視点からの学習指導の充実と学習状況の改善を図ることが大切である。

◆授業改善

▼質問紙調査の状況・分析

 学習の中でICT機器を活用することで友達と考えを共有したり、比べたりしやすくなると実感している児童生徒は、国語や算数・数学の授業の内容がよく分かると実感し、課題解決に向けて自分で考え、自分で取り組む傾向にある。

 また、こうした取組を行う児童生徒ほど、全ての教科の平均正答率が高い傾向にある。

▼改善の方向性

 各学校においては、ICT機器を効果的に活用し、児童生徒が目的意識を持って自ら学習活動を進めることができるよう、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図ることが大切である。

◆小中連携の推進

▼質問紙調査の状況・分析

 近隣等の小・中学校と、教科の教育課程の接続や、共通の取組をよく行っている学校では、児童生徒が課題解決に向けて話し合い、表現するなどの学習活動を学ぶ校内研修を行っている傾向にある。

 また、こうした共通の取組を行っている学校ほど、総合的な学習の時間で、児童生徒が自ら課題を立てて情報を集め整理して調べたことを発表する学習活動に取り組んでいる傾向にある。

▼改善の方向性

 各学校においては、義務教育9年間を通じた教育活動の推進や取組の充実に向けて、小・中学校の円滑な学びの接続を図ることが大切である。

◆望ましい学習習慣の確立

▼質問紙調査の状況・分析

 ICT機器を週1回以上授業で使用した学校の割合や、授業以外に、1時間以上、ICT機器を勉強のために使っている児童生徒の割合は、全国と比べて高い一方で、学校の授業時間以外に、1時間以上勉強する児童生徒の割合は、全国に比べて低い状況にある。

 また、1日当たり、ゲームやSNSをする時間が2時間未満で、授業以外に1時間以上勉強する児童生徒ほど、全ての教科の平均正答率が高い傾向にある。

▼改善の方向性

 各学校においては、児童生徒の学びが授業時間で終わることなく、児童生徒が自主的に家庭学習を進めていくことができるよう、授業と家庭学習との関連を図ることが大切である。

【小中高12年間の接続を意識した授業改善の推進】

 自分らしさを大切にしながら自己肯定感を持って、分かる喜び、学ぶ楽しさを実感し、生涯にわたって学び続ける意欲を持ち、様々な社会的変化を乗り越えることができる資質・能力を子ども一人ひとりに身に付けさせていくためには、小中高の接続を意識しながら、各学校種段階における授業を充実させるための取組の推進が必要である。

(道・道教委 2024-11-07付)

その他の記事( 道・道教委)

教育DX加速化 庁内横断で検討 道教委が推進会議新設 校長会など参画 15日初会合

 道教委は、庁内横断的に教育DXの加速化に向けた方向性を検討する「教育DX推進会議」を立ち上げた。道教委関係各課のほか校長会・教頭会などの関係団体で構成。学校現場の声や民間企業、有識者の知見...

(2024-11-11)  全て読む

道教委 特別支援教育活動発表会 15、18日に第2回実施 12校が生産品販売など

 道教委は、15、18日の2日間、道庁本庁舎1階で第2回道立特別支援学校の教育活動発表会「ほっこりふれあいプロジェクト」を実施する。今回は新たに8校が加わり、全12校がマッサージ施術や、スチ...

(2024-11-11)  全て読む

道教委 特支オンライン授業セミナー 表現の違いに着目し 帯広翔陽中の国語授業動画

 道教委は6日、特別支援教育総合推進事業6年度オンライン授業セミナーを開いた。帯広市立翔陽中学校の自閉症・情緒障がい教育学級の2年生国語科の授業動画を公開。参加者は、物語の翻訳作品読み比べを...

(2024-11-08)  全て読む

統合控え岩西高 創立100周年式典 新設校が地域発展の核に 伝統と創造・自律受け継ぎ

岩西高開校100周年記念式典  【岩見沢発】岩見沢西高校(伊勢一哉校長)の創立100周年記念式典が10月中旬、岩見沢市民会館まなみーるで執り行われた。在校生や教職員ら約450人が出席。伊勢校長は同校としての歴史を終え複雑...

(2024-11-08)  全て読む

道教委が高校生防災サミット 地域防災の担い手に 厚真高など6校が実践発表

高校生防災サミット  道教委は5日、北海道高校生防災サミットをオンラインで開催した。テーマ「地域を守る 命を守る~高校生の私たちが、今できること」のもと、道内各地の高校生が生徒主体による防災教育の実践を発表。各...

(2024-11-07)  全て読む

道教委 全国学力調査報告書 小・檜山、中・石狩で全国超 胆振 全教科で前年度上回る

表1  道教委は6日「6年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書」を公表した。各教科の平均正答率を管内別にみると、檜山が小学校、石狩が中学校の2教科で全国平均を上回る結果に。前年度との比較では...

(2024-11-07)  全て読む

道こども基本条例・計画策定へ 大人全員が共通理解を 両素案たたき台で議論

道こども条例・計画素案たたき台審議  道知事の付属機関である道こども施策審議会こども施策部会は1日、札幌市内の道第二水産ビルで第3回会議を開き、(仮称)道こども基本条例素案、(仮称)道こども計画素案のたたき台を審議した。委員か...

(2024-11-06)  全て読む

北海道教育の日 第17回制定行事 未来担う子を育んで 学校、地域、産業界が連携し

「北海道教育の日」第17回制定記念行事  「北海道教育の日」道民運動推進協議会(倉本博史会長)は1日、ホテルライフォート札幌で第17回制定記念行事を開催した。会場、オンラインを合わせて約80人が参加。倉本会長は、学校・地域・産業界...

(2024-11-06)  全て読む

道教委と道高P連 道建協に 企業と連携し活動支援 新規高卒者雇用促進を要請

道教委が道建協に雇用促進要請  道教委と道高校PTA連合会は10月31日、道建設業協会に新規高校卒業予定者の雇用促進および就業体験活動推進事業に関する協力を要請した。道教委の髙田安利高校教育課長が日野勉常務理事に要望書を...

(2024-11-06)  全て読む

教職員ら計23人を登録 道災害時学校支援チーム

 道教委は、大規模自然災害の発生時に学校の教育活動の早期復旧を支援する「北海道災害時学校支援チーム」のスタッフ登録を開始した。初回は学校教職員11人、道教委職員12人の計23人を登録。7年1...

(2024-11-05)  全て読む