メクビット活用し授業 国研事業協力校の真駒内中 画像で地震時の危険個所等問う場面 札幌市教委(札幌市 2024-12-02付)
札幌市教委は、国立教育政策研究所の教育課程検証協力校事業に協力し、中学校保健体育(保健分野)で文部科学省のCBTシステムMEXCBT(メクビット)を活用した授業づくりを推進している。本年度は真駒内中学校(太田大輔校長)が協力校となり、11月28日に2授業を公開。2年生では、導入と終末でメクビットを活用し、画像をもとに地震発生時の危険個所やその理由などを問う場面を位置付けた。
市教委は、教育課程実践検証協力校事業の採択を受け、中学校保健体育(保健分野)におけるメクビットを活用した授業づくり、CBTの問題作成・開発に関する研究に取り組んでいる。
これまで、中の島中学校と向陵中学校が協力校を務め、知識・技能だけではなく、思考・判断・表現の育成につなげる活用などを実践してきた。
3年目を迎える本年度は真駒内中が協力校となり、より効果的な活用方法を探っている。
28日、メクビットを活用した授業改善を目的に、国研の岩田悟教育課程調査官を招き2授業を公開した。
2年生「自然災害による傷害の防止」(國行海斗教諭)では、地震発生時に傷害につながる危険があることを理解させるとともに、回避する方法や日頃の対策について考えさせる授業を展開した。
國行教諭は導入で、メクビットを活用して問題を出題した。
一般的な部屋の画像から地震発生時に危険だと考えられる個所を選択し、その理由を問うもの。生徒たちは「本棚は倒れる危険性がある」「ベッドにいると窓ガラスの破片が降ってくるかもしれない」などと回答を入力していった。
終了後、即時に得点を確認。正解として設定された危険個所が13ヵ所ある中「これしか点数が取れなかった!何で?」といった意識を醸成し、課題「地震災害による危険を防ぐためにはどのような回避方法があるだろう」につなげた。
つぎに、國行教諭が釧路市に住んでいた時の部屋の写真を提示し「地震発生時」「揺れが収まったあと」「避難時」に気を付けるべきことをグループで考えさせる活動に移った。
避難時の行動を考えさせる場面では、地図で当時の部屋の位置を示し、二次災害として「津波がくるかもしれない」と意識させた。これによって生徒から「高台に逃げる」「海から離れた所に避難する」などの意見を引き出した。
これらを踏まえ、自分の部屋を想像しながら地震への備えを考えさせた。生徒たちはこれまでの学習などを想起して「ハザードマップで避難ルートを確認しておく」「棚などを突っ張り棒で固定しておく」など様々な考えを交わした。
終末では、屋外の写真を用意しメクビットで導入時と同じ内容の問題に取り組ませた。本時で習得した知識の活用を問うため「この場所から避難する際、安全を確保するための行動」を追加で記入させた。
授業後、市教委の大巻太一義務教育担当係長は「自分事として捉えさせる」「保健分野の見方・考え方」を意識して授業づくりに取り組んできたことを振り返り「ICTのメリット・デメリットを学んだ。効果的な活用の場面を意図的・計画的につくっていく必要がある」と話した。
岩田調査官は、保健分野の見方・考え方「原則や概念」を働かせる場面、単元全体を見通した授業構想の重要性などについて講評するとともに「メクビットについては、今アップされている問題を実情に応じてうまく活用してほしい」と呼びかけた。
(札幌市 2024-12-02付)
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