道造形教育連盟 札幌地区研究全体会　形や色意識した表現探る　つながり部会 太平中２年公開

（札幌市 2024-12-03付）

　道造形教育連盟（東尚典会長）は１１月上旬から中旬の３日間、札幌地区研究全体会「オータムジャンプ」を開催した。中旬に札幌市立太平中学校で行ったつながり部会では、前学年で扱った題材とのつながりを生かした２年生美術の授業を公開。形の組み合わせや色彩の効果を意識しながら表現の構想を練る活動を展開した。

　同連盟は、研究主題「“わたし”を創る～豊かな未来へ向かう造形教育」のもと、子どもの資質・能力を豊かに育む造形教育の在り方について研究している。

　①つながり②教師力③ミュージアム連携―の三つの部会で授業実践を進め、授業像「形や色で自分を見つめ、自分らしさを発揮する造形活動」の実現を目指している。

　題材づくりについて検証するつながり部会では、太平中２年２組美術「模様が生み出す世界を味わおう」（藤森佑生教諭、生徒数３１人）を公開した。

　今回は「前学年で扱った題材との資質・能力の“つながり”」を生かした題材化を行ったもの。１年生で扱った「広がる模様の世界」から発展させ、形を組み合わせる効果を生かしながら表現することを目指した。

　生徒が目的を意識しながら表現するための手だてとして「渡す相手」「使う時にどんな気持ちになってほしいか」を考えてマグカップを装飾する活動を位置付けた。

　藤森教諭は導入で前時の内容を振り返り、位置や大小、量など、様々な形の組み合わせ方があることを確認した。

　その上でマグカップを渡す相手、使う時になってほしい気持ちを考えてワークシートに記入するよう指示。生徒たちは、自分の生活を振り返りながら「母親に優しい気持ちになってほしい」「友達に元気になってほしい」などの思いを抱いた。

　これを踏まえ藤森教諭は「自分のイメージを表すためにどのような工夫ができるか」と課題を提示。端末上にある展開図などを使ってデザインの構想を練る活動に移った。

　生徒たちは相手のことを想像しながら、色彩や配置などの工夫を取り入れて表現を考えた。

　途中、全体交流を挟み「○と□を組み合わせて配置した」「グラデーションを使って優しい気持ちになってほしい思いを表現した」「淡い色を重ねて温かさを出した」などの工夫を共有し、今後の活動の参考になるよう新たな視点に気付かせた。

(札幌市 2024-12-03付)