札教研図工研究部　こども造形展　個性豊かな力作ズラリ　市内２３校から１０００点

（札幌市 2024-11-29付）

　札幌市教育研究推進事業（札教研事業）小学校図画工作科研究部（野切卓部会長）主催の第６６回小学校こども造形展が２０～２６日までの７日間、北翔大学円山キャンパスギャラリーで開かれた。市内２３校の児童が図画工作の授業で取り組んだ絵画や工芸作品など約１０００点を展示。子どもたちの作品を一目見ようと、会場は多くの保護者や地域住民でにぎわった。

　自由研究などの作品ではない、普段の授業で作った温もりのある児童の作品を広く周知しようと、昭和２２年から一般公開しているこども造形展。作品の優劣は付けず、児童の努力をたたえる場として保護者や地域住民に豊かな感性や日常的な学習の様子を感じ取ってもらう場としている。

　区ごとに展示されている各校の作品には、担当教員が授業のポイントを記した「指導カード」も掲示。教員の図画工作科の研修の場としても価値があるものとなっている。展覧会の実行委員長を務める成田七海教諭は「同じ題材でも各校によって指導のアプローチが様々で、子どもの感性を引き出した自由度の高い作品が多い」と話す。

　例えば、山鼻小学校５年生の「立ち上げれ！針金」では、形を自由に変えられる針金を使って、怒りや喜びなどの感情を表現するユニークな作品が並ぶ。

　定山渓小学校の６年生は教科等横断的な視点を導入し、算数で学習した円柱の立体工作を使って、オリジナルケーキを表現。児童一人ひとりが自分好みの味を考えた。

　同部によると、展覧会には２４日時点で１１００人を超える来場者が訪れたという。わが子の作品を見に訪れた保護者の一人は「友人や他学年の子どもの作品を見ることができて面白い。子どもの発想力に驚かされた」と話した。

(札幌市 2024-11-29付)