十勝管内教育研究サークル協が研究会　子を主語に探究的学び　上士幌小・中で公開授業等

（関係団体 2024-12-25付）

　【帯広発】十勝管内教育研究サークル協議会（横山一仁会長）は１１月下旬、上士幌町立上士幌小学校、上士幌中学校で合同研究会を開いた。各教科８授業を公開したほか、全体会でサークル紹介や研究協議を実施。管内の教育研究サークルが一堂に会し、今日的な教育課題の究明を図るため研鑚を積んだ。

　協議会は、１３のサークルに約５００人の教職員が入会している。「未来に生きる子どもの成長に責任をもつ教師として、学校における日々の教育実践を持ち寄り、今日的課題を明らかにする」と実践課題を設定。また、教育内容を実践的検証によって確かなものにしていくため、未来に生きる子どもの人間形成のために果たす役割を踏まえた実践のもと、ＰＤＣＡサイクルを意識した研究を協議することを共通課題として定めている。

　この日、上士幌小の２、４、５年生の５授業、上士幌中の１～３年生の３授業の計８授業を公開した。

　このうち、上士幌中３年保健体育科「Ｅ球技　ネット型バドミントン」（小澤祐貴教諭）では、本時のねらいを「ペアやグループで互いに助け合ったり、教え合ったりして意図的に点数をとるための技能を高めよう」と設定。導入時に、前時の振り返りとしてダブルスの攻防ポイントを整理した上で攻撃パターンの検討・検証を行った。

　生徒はペアに分かれ、対戦相手を動かすことで空間を生み出し意図的に点数を取るために、自チームがどのような動きをすれば良いのか、前時に撮影したダブルスゲームなどから攻撃パターンを検討。検証に当たっては、攻撃チーム、防御チーム、指示者、観察者とそれぞれ役割を担い、協働的に試合を進めていった。

　公開授業のあと開会式を実施した。開会あいさつに立った横山会長は、今日の社会情勢に触れ、子どもを主語にした探究的な学びを展開する重要性を強調。「教師自身が学び手を主語とした探究的な学びを経験すること、他者と対話し自らの教育実践や教育観を振り返る中で“探究”“探究的な学び”について理解を深めることが大切。協議会を通じて管内に点在する実践がより線としてつながり、十勝平野に広がる面となるよう期待している」とした。

　このあとサークル紹介や研究協議を行い、授業改善および指導力の向上に向けて共通理解を図った。

　参加者からは「小学校から中学校までそれぞれのサークルごとに授業が見られて良かった」「授業者として参加したが、サークルの先生方から助言をいただいたり、日頃の授業について交流したりとても参考になった」などと感想の声が上がった。

(関係団体 2024-12-25付)