【解説】ケア実施者確保など課題に
(解説 2025-07-23付)

 文部科学省は6年度学校における医療的ケアに関する実態調査結果をまとめた。医療的ケアが必要な道内児童生徒数は前年度比9人減の415人。看護師の配置人数は22人増の182人と増加した一方、認定特定行為事業者などの実施者は23人減の217人と減少した。全国の状況からは、ケア実施者の確保に加え、多様なニーズに応じた支援が必要な現状が浮かび上がる。

 全国の国公私立幼稚園・小・中学校、高校、教育委員会が対象。調査時点は6年5月1日。

 全国で医療的ケアが必要な児童生徒数は495人増の1万1259人。医療的ケアの内容は特別支援学校で「喀痰吸引(鼻腔内)」「喀痰吸引(口腔内)」「経管栄養(胃ろう)」、幼稚園・学校で「血糖値測定・インスリン注射」「導尿」「喀痰吸引(気管カニューレ内部)」の順に多い。

 医療的ケア児の5割以上が学校生活または登下校時の付き添いを必要としている。特別支援学校で保護者が付き添っている理由は「医療的ケア看護職員や認定特定行為事業者はいるが、学校・教育委員会が付き添いを希望している」が48・7%、幼小中高では「医療的ケア看護職員・認定特定行為従業者がいない」が44・8%と最も多かった。

 通学方法をみると、特別支援学校では自家用車が57・3%、スクールバスが26・5%、幼小中高では徒歩・公共交通が56・4%、自家用車が38・1%と最も多い。

 医療材料・医療器具・非常食の備蓄などの対応を保護者・主治医と協議して取り決めている割合は特別支援学校、幼小中高いずれも7割弱だった。発災後に待機が長期化した場合の取り決めを行っている割合は特別支援学校が4割、幼小中高が5割程度で、災害への備えも課題になっている。

(解説 2025-07-23付)

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