【解説】業務適正化 諸外国で進む(解説 2025-07-24付)
諸外国における教員の働き方改革を調査した結果、教員の業務の適正化や柔軟な働き方など様々な取組が行われていることが国立教育政策研究所の調査研究で分かった。各国の状況・制度・文化的背景によって相違があるものの、課題もわが国と共通するものがある。
調査研究は、各国の働き方改革の論点や取組の特徴を整理し、わが国における施策の示唆を得るために実施。
英国では、教員が日常的にすべきでない事務的業務を明確化するとともに、業務を担うサポートスタッフを拡充。採点、授業準備、データマネジメントに着目した業務負担の軽減策に取り組んでいる。個々の教員が学校との契約前に働き方の要望を伝える機会を保障することで柔軟な働き方につなげ、研究機関が国・民間機関の統計調査を活用することで働き方改革の取組の検証を継続的に行っていることも特徴になっている。
カナダのオンタリオ州では、教員の給与・処遇は他職種と比較して高い水準にある。教員に教員組合への加入が義務付けられ、団体交渉・ストライキ・各種調査などの活動で政策形成に関与する権限を持っていることが背景にある。しかし、臨時教員への依存度が高く、へき地教育を担う教員が慢性的に不足するなどの課題がある。
韓国の教員は国家公務員の身分を有し、伝統的に教職への人気は高い。超過勤務に対しては規定に従って手当が支給され、法定の定員に欠員は生じていない。こちらも教員の業務適正化に取り組み、教育活動に伴う事務を「行政的」「教育的」に分類している。
昨今の課題として、問題行動を起こす児童生徒対策、保護者からの過剰な苦情、暴力・ハラスメントに対する組織的な対応力の向上が浮上している。
(解説 2025-07-24付)
その他の記事( 解説)
【解説】「指導の個別化」充実を
今回の中学校理科調査で初めて導入されたIRT(項目反応理論)は、異なる問題の正誤状況を活用し、学力を測定する方法。従来の素点方式と異なり、問題の難易度なども考慮される。各児童生徒で異なる問...(2025-08-01) 全て読む
【解説】子ども基本法の理念反映へ
文部科学省の調査によると、令和元年度以降に校則などを制定・変更した中学校の割合は92・2%、高校は90・1%。校則等の制定・変更に際して生徒・保護者の意見聴取を行っている中学校は89・3%...(2025-07-30) 全て読む
【解説】若者の投票率 41%に
総務省は、20日投開票の第27回参議院議員通常選挙における18、19歳の投票率を公表した。若者の投票率は41・74%となり、前回参院選時(4年7月10日)の34・49%から7・25ポイント...(2025-07-29) 全て読む
【解説】人口減少対策の「庁」設置を
全国知事会は23・24日、青森県青森市で開催した全国知事会議で、人口減少対策を統括・推進する「庁」設置を提案する緊急提言を取りまとめた。最終日には「青森宣言」を採択。人口減少問題をわが国に...(2025-07-28) 全て読む
【解説】年内入試9割が進学に納得
大学入試における総合型・学校推薦型選抜進学者の9割以上が自身の進路選択に納得していることが、リクルート進学総研の高校生の進路選択に関する調査「進学センサス2025」で分かった。 調査は...(2025-07-25) 全て読む
【解説】ケア実施者確保など課題に
文部科学省は6年度学校における医療的ケアに関する実態調査結果をまとめた。医療的ケアが必要な道内児童生徒数は前年度比9人減の415人。看護師の配置人数は22人増の182人と増加した一方、認定...(2025-07-23) 全て読む
【解説】夏休みの宿題 やる?やらない?
昨年の夏休みの宿題が「やってもやらなくてもいい」任意制だった割合が42%だったことが、㈱ベネッセコーポレーションの調査で分かった。 調査は、同社通信教育講座「進研ゼミ 小学講座」を受講...(2025-07-22) 全て読む
【解説】6月の救急搬送事案が急増
一昨年の夏は道内全域で熱中症警戒アラートが発表される初の事態になり、児童が命を落とす痛ましい事故が発生。普通教室の冷房設備の設置が進むとともに、夏季休業期間の延長や暑さ指数に基づく対応の徹...(2025-07-18) 全て読む
【解説】10代ネット利用 休日316分
総務省情報通信政策研究所の6年度調査結果によると、10代のインターネット平均利用時間が平日243・4分、休日316・1分に上ることが分かった。前年度より減少した一方で、休日の利用時間は全年...(2025-07-17) 全て読む
【解説】地域クラブ認定制度へたたき台
スポーツ庁は14日の調査研究協力者会議で地域クラブ活動の認定制度のたたき台を示した。地域クラブ活動の質を担保する要件を国が設定し、各市町村が「認定地域クラブ活動」として認定する全体像を提示...(2025-07-16) 全て読む