【解説】子ども基本法の理念反映へ
(解説 2025-07-30付)

 文部科学省の調査によると、令和元年度以降に校則などを制定・変更した中学校の割合は92・2%、高校は90・1%。校則等の制定・変更に際して生徒・保護者の意見聴取を行っている中学校は89・3%、高校は80・3%、校則の制定・変更手続きを公表している割合は中学校が70・8%、高校が71・9%だった。

 各学校で児童生徒の意見を学校運営に反映させる取組は徐々に広がり、児童生徒の声をもとに校則の見直しを検討したり、アンケートボックスや目安箱を設置して実現の可能性を議論したりするなど様々な取組が行われている。

 先の第27回参議院議員通常選挙における18、19歳の投票率は41・74%と3年前から上昇したものの、他の年代や諸外国と比較して若年層の意識は低い傾向にある。文科省の4年度調査では、選挙管理委員会などと連携して模擬選挙や模擬投票などの主権者教育に取り組む高校の割合は35・1%となっている。

 高知県の高校では、選挙管理委員会と連携して校内に期日前投票所を設置。上級生がロールモデルとなり、選挙権のない1・2年生にも投票の様子を見てもらうことで主権者としての意識を育んでいる。文科省は今後、こうした地域社会と連携した実践的な学習活動に取り組む事例を踏まえ、今後の推進方策を総務省と協議するとしている。

 子どもの権利の保障、意見表明・社会参画の機会を確保する理念を示すこども基本法が令和5年に施行されて2年が経過。対話・協働を通じた参画機会は各方面で広がるものの、授業に生かす仕組みは十分に進んでいない状況にあり、次期学習指導要領でこれらの教育内容を充実させる方向性が示されたことで、社会参画する力を育む教育活動の一層の充実に期待がかかる。

(解説 2025-07-30付)

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