【解説】６割が平和への行動に関心

（解説 2025-08-04付）

　１７～１９歳の多くの若者がボランティア活動への参加など平和に関する行動に対して関心があることが、日本財団の第７１回１８歳意識調査で分かった。

　今回のテーマは「戦後８０年」。６月１３～１５日の期間で、全国の１７～１９歳男女計１０００人を対象に調査。

　太平洋戦争に関する学習経験について、全体の約９５％が「学んだ経験がある」と回答。印象的だった学習内容は３人に２人が「学校での授業の内容」を挙げ、次ぐ「資料館・記念館・博物館への訪問」が３割を超えた。

　太平洋戦争を題材にした記憶に残る書籍・映画は、大戦下に孤児になったきょうだいの過酷な日々を描いた直木賞作家・故野坂昭如氏の短編小説『火垂るの墓』が４０％超で最多。２位は約２０％で故中沢啓治氏が自らの被爆体験をもとに描いた漫画『はだしのゲン』だった。

　戦争体験者から直接話を「聞いたことがある」と回答したのは全体の約３割。

　戦争体験者から直接話を聞いた人のうち「どんな人から話を聞いたか」を聞くと「学校の授業・行事に来た方」「資料館・記念館・博物館にいた方」の順に。「祖父母・曽祖父母」は３割未満にとどまった。

　日常で太平洋戦争を話題にする頻度は全体の７割以上が「ほとんど話すことはない」と回答。学徒出陣や、連合軍と枢軸軍の対立について全体の約１割、日本軍のアジア地域の一時占領について約３割が「知らなかった」と答えた。

　ボランティア活動への参加や市民団体等への寄付について約６割が「関心がある」と回答。一方、不買運動への参加、SNSでの意見の発信等は６割以上が「関心がない」と答えた。

　今後の日本が目指すべき国づくりでは「自由で平和な国」が男女共に４割を超え最多。男性では「経済に強い国」、女性では「福祉が手厚い国」が多かった。

(解説 2025-08-04付)