【解説】企業人材の学校参画へ(解説 2025-08-12付)
中教審の初等中等教育分科会教員養成部会は7日、民間企業等の人材が学校教育に参画する制度の在り方について議論した。情報教育、語学、金融経済教育などの専門性を有する人材を中学・高校に派遣することが適当とし、学校のニーズの明確化やマッチングの仕組みの構築が提案された。
企業による協力は外部講師の派遣や教育プログラムの提供など様々な形があり、学びの充実、地元産業への理解促進、キャリア形成支援などの教育的意義が指摘されている。
中教審は、学習指導要領の改訂と並行し、多様な専門性・背景を有する社会人が参入しやすくなる制度の在り方を検討。専科指導やICTに関連する教育など社会人の専門性を生かせる分野で優先的に教職に参入しやすい環境を整備する。
会議では、民間企業の人材の勤務形態として、特別免許状の活用や企業人材を学校に派遣する「在籍出校型」が考えられるとし、派遣先は主に中学校・高校とすることに賛意が示された。日本経済団体連合会の関係者は、学校・教育委員会の具体的なニーズを示すことでミスマッチを防ぐほか、学校教育活動への参画推進に向けた税制優遇措置の創設を提案した。
全国の事例をみると、神奈川県川崎市では富士通㈱の社員を市立学校の非常勤講師として任用。中学校・高校の工業実践や日本語指導が必要な子どもへの指導・支援に携わっている。
道内では道教委が本年度から各圏域の高校教員と産業関係者が意見交換を行うシンポジウムの開催や専門高校との連携が可能な産業実務家教員リストの作成に取り組み、官民連携の機運を高めている。NPO法人Teach For Japanのように、臨時免許状を活用して多様な経歴の人材を学校現場に派遣する動きも現れている。
(解説 2025-08-12付)
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