介助添乗員の研修等支援 特別支援スクールバスで道教委
(道・道教委 2015-10-05付)

 道教委は、特別支援学校児童生徒のスクールバス通学にかかわって、バス事業者が雇用する介助添乗員の研修の改善・充実のため、研修の基本となる内容例の作成・配布など、支援に取り組む考えを示した。道議会文教委員会(一日)で、杉本昭則学校教育監が佐々木恵美子委員(民主党・道民連合)の質問に答えた。

 特別支援学校のスクールバスには、学校の介護員、または、バス事業者が雇用した介助添乗員が一~二人乗車し、児童生徒への言葉がけや見守りなどを行って、その安全確保に努めている。

 道教委が、スクールバスを運行している特別支援学校十五校に対して行った調査によると、ことし四~七月、スクールバスでけがを伴う事故四件が発生しており、原因別内訳は、「噛みつかれる、または引っかかれることによる児童生徒のけが」二件、「車内での立ち歩きの制止やバスの急停車に伴う転倒による介助添乗員のけが」二件となっている。いずれも、介助添乗員のみが乗車するバスで発生した。

 このほか、「児童生徒がバスの窓を割るなどの物損事故」二件、「立ち歩きや子ども同士のかかわり合いなどに起因するトラブル」十件が発生している。

 また、保護者からは、介助添乗員の業務に対して、「子どもへの接し方が適切でない」「障がい特性を理解していない」などの声が寄せられている。

 調査結果を踏まえ、道教委は、バス運行中の事故等について、「介助添乗員が乗車しているバスで起きている割合が高い状況であり、個々の障がい特性に応じた介助を適切に行えなかったことや、児童生徒の突発的な行動に適切な対応ができなかったことが主な原因」と分析。介助添乗員の専門性向上、専門性のある人材確保が必要として、バス運行委託経費への研修経費算入や、有資格者等の雇用の働きかけを行ってきた。

 質疑の中で、杉本学校教育監は、これらを踏まえ、「学校が実施する児童生徒の指導に関する研修や校内スクールバス委員会への、介助添乗員の参加促進に一層取り組むほか、バス事業者が実施する研修の充実・改善を支援するため、新たに研修の基本となる内容例を作成して、効果的な研修事例と併せて配布するとともに、今後、バス事業者が専門性の高い人材を確保しやすい方策等について検討していく」と答弁した。

(道・道教委 2015-10-05付)

その他の記事( 道・道教委)

学校司書の手引作成委員会議が初会合 期待される実務遂行へ 学校司書配置促進事業の一環 道教委

学校司書手引委  道教委は、「学校司書の手引」作成委員会議を発足した。本年度の新規事業「学校司書配置促進事業」の一環。六日に札幌市内かでる2・7で開いた第一回会合=写真=では、学校図書館の役割や学校司書の...

(2015-10-08)  全て読む

江差北小・江差北中が教育研究大会 豊かな表現力の育成へ 外国語活動乗り入れ授業など 道教委実践指定校

江差北小教育研究大会  【江差発】江差町立江差北小学校(角田昌宏校長)と江差北中学校(野村誠校長)は九月中旬、両校で小中一貫教育研究大会を開催した。小・中学校合わせて四授業を公開。うち、小学六年生の外国語活動で...

(2015-10-07)  全て読む

地域人材による家庭教育支援推進事業 本年度、25市町でスタート 子育て相談へ「学びカフェ」開催 道教委

 道教委の「地域人材による家庭教育支援推進事業」が、釧路町など二十五市町でスタートする。本年度の新規事業として、各地で養成した家庭教育ナビゲーターが中心となって、子育てに関する学習・相談機...

(2015-10-07)  全て読む

道教委・ICT活用教育促進事業利尻仙法志小など10校タブレットの効果的活用研究

 道教委は、ICT活用教育促進事業の実践指定校を決定した。本年度の新規事業で、利尻町立仙法志小学校など小・中・高校計十校を指定。三年間を通して、タブレットPCの効果的な活用方法について研究...

(2015-10-06)  全て読む

道の子ども貧困対策推進計画 高校進学率アップなど素案に 指標・目標値を設定

 道は、一日に開かれた道議会少子・高齢社会対策特別委員会で、「北海道子どもの貧困対策推進計画」(素案)で設定した指標・目標値について報告した。「生活保護世帯に属する子どもの高校等進学率」を...

(2015-10-05)  全て読む

若年層理解促進へ冊子を小中に配布 道総合計画PRで担当局長が答弁

 九月二十八日に開かれた三定道議会予算特別委員会第一分科会(総合政策部所管事項審査)では、佐々木誠也政策局計画推進担当局長が道総合計画の理解促進のため、「今後、計画の内容をビジュアル化した...

(2015-10-05)  全て読む

渡島局が特別支援教育充実セミナー 指導・支援の充実に向け 53人が演習・協議通し研鑚

特別支援教育充実セミナー  【函館発】渡島教育局は九月中旬、特別支援教育総合推進事業「特別支援教育充実セミナー」を実施した。管内の幼・小・中・高校の特別教育支援コーディネーターなど五十三人が参加=写真=。説明や演習...

(2015-10-05)  全て読む

道人事委が27年度給与勧告 月例給平均0・15%引き上げ 単身赴任手当基礎額アップも

 道人事委員会は二日、道職員の二十七年度給与について、月例給を平均〇・一五%、ボーナス(期末・勤勉手当)を〇・〇五月分をそれぞれ引き上げるよう、遠藤連道議会議長、高橋はるみ知事に勧告した。...

(2015-10-05)  全て読む

地域の実情踏まえ柔軟に対応を 貧困家庭における子どもの学習支援

 九月三十日の三定道議会予算特別委員会では、貧困家庭における子どもの学習支援について総括質疑が行われた。  高橋はるみ知事は、対象世帯の子どもがそれぞれの生活環境に合わせて事業に参加でき...

(2015-10-05)  全て読む

相談体制の充実へガイドライン作成 児童虐待等への取組

 九月三十日の三定道議会予算特別委員会では、児童虐待について総括質疑が行われた。  高橋はるみ知事は、児童虐待について、「絶対にあってはならない行為であり、子どもの心身の成長および人格の...

(2015-10-05)  全て読む