道教委・ICT活用教育促進事業利尻仙法志小など10校タブレットの効果的活用研究
(道・道教委 2015-10-06付)

 道教委は、ICT活用教育促進事業の実践指定校を決定した。本年度の新規事業で、利尻町立仙法志小学校など小・中・高校計十校を指定。三年間を通して、タブレットPCの効果的な活用方法について研究する。研究に当たっては、先進校や大学などの協力を得て、校内研修や授業公開などを進めていく。年度末には報告書をまとめ、全道への普及を図っていく。

 道教委では、人口減少や少子化に伴い、将来的に児童生徒数を維持することが困難になる学校が増え、子どもたちの学び合いや社会性の育成など教育の質の維持向上が課題となることを想定。そのため、時間と距離に影響されないICTの活用が有効と位置付け、同事業でタブレットPCの円滑な導入、授業における効果的な活用について、実践指定校を中心に調査研究し、全道への普及を目指すこととした。

 実践指定校は、仙法志小、奥尻町立奥尻中学校、留萌市立潮静小学校、豊頃町立豊頃小学校、豊頃町立大津小学校、浦河高校、静内高校、富川高校、南茅部高校、紋別高校の十校。各校には、児童生徒用約二十台と、教師用一台のタブレットPCを配置する。

 研究の推進に当たって、奥尻中では、先進校である道教育大学附属函館中学校と連携し、全教員が各教科の授業でタブレットPC導入の工夫について研究する。

 潮静小は、ICT教材(アプリ)の効果的な活用について研究するため、先進校の初山別村立初山別小学校と連携。仙法志小では、豊富町立豊富小学校と連携して、全教員がタブレットPCの基本操作を習得していく。

 豊頃小と大津小は互いに連携してタブレットPCのカメラや検索機能などを効果的に活用した学習を進める。

 浦河高、静内高、富川高は、互いに連携し、国立情報学研究所や千歳科学技術大学の協力を得ながら研究を進める。タブレットPC活用にかかわる指導者研修を実施し、通信機能を活用した学習課題に取り組むほか、体育などにおける活用、グループワークを通した学習意欲の醸成を図る。

 文部科学省の遠隔授業に関する研究開発学校に指定されている紋別高(授業配信校)と南茅部高(授業受信校)では、数学Ⅱの授業においてタブレットPCを導入し、グラフの概形や図形などの視覚的な理解、学習データの保存による生徒の理解度の把握、グループによる協働学習などを進める。

 また、各校ではタブレットPCの活用に関する校内研修や公開授業も計画。情報教育におけるICT機器の活用についても研究し、現代社会におけるメディアの役割、メディアの特性に応じた安全・安心かつ効果的な活用などを指導し、家庭におけるメディアとの付き合い方について保護者の協力も促す。

 研究成果は四月に発足したICT活用教育プロジェクト・チームで報告するほか、年度末には報告書をまとめ、他校への普及を目指していく。

(道・道教委 2015-10-06付)

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