千歳市教委　全小学校でデジタル教科書導入　集中力アップに効果あり　興味・関心引き出し学力向上に期待

（市町村 2015-10-15付）

千歳小のデジタル教科書を使用した授業

　千歳市教委は、市内全小学校においてデジタル教科書を導入した授業を展開している。全学年で、電子黒板に教科書の内容を映し出し、授業を進める。学校現場では、「児童たちの集中力が増している」「説明時間の短縮にもつながり、従来の教科書と組み合わせることで、より分かりやすく指導することができる」など、効果を口にする声が多い。市教委担当者は、「児童たちの授業に対する興味や関心を引き出すことで、さらなる学力向上につなげたい」と期待している。

　デジタル教科書は、教科書の内容を大画面の電子黒板に映し出すもので、挿絵や写真の拡大、動画、音声を再生することができるため、学習内容の理解を深める場面など授業の様々な場面で効果的な活用を図ることができる。

　市教委では、二十五年度から電子黒板などのＩＣＴ機器の整備を進めてきた。本年度、小学校の教科書改訂に合わせて、全十七校でデジタル教科書を導入した。一・二年生は、国語・書写・算数、三・四年生は国語・書写・算数・理科・地図、五・六年生では国語・書写・算数・理科・社会・地図で活用している。

　市教委によると、市全体で導入しているところは管内では同市のみという。

　九月中旬、千歳小学校（柴口史子校長）の算数の時間では、デジタル教科書を使用した授業を展開。教員が大画面に教科書のページの一部分を拡大して映し出し、説明していた。児童たちは、大画面に教科書が映し出されているため、どこを説明しているのかをすぐに把握。音声や画像に動きがあることで、授業に対して、より興味・関心を抱きながら取り組んでいた＝写真＝。

　佐藤辰彦教頭は「デジタル教科書の導入で、児童たちの集中力が増している｣と話し、児童の授業に対する意欲が向上していることを実感する。

　二学期からの導入に当たって同校では、校内研修を実施し、円滑な授業の展開に備えた。デジタル教科書のソフト起動から活用例などを指導した立花秀俊教諭は「授業において、説明時間の短縮につながっている。従来の教科書と組み合わせることで、より分かりやすく指導することができるのでは｣と手応えを口にする。

市教委の堀田裕係長は｢児童が授業に対して興味・関心をもって取り組むことで、学力向上に結び付けたい｣とデジタル教科書の効果に期待している。

　市教委では来年度から、中学校においても、国語、数学、地理、歴史、公民、理科、英語でデジタル教科書の導入を予定している。

(市町村 2015-10-15付)