札幌市が第１回総合教育会議開く　教育大綱は教育振興基本計画もとに　期間は４～５年、年内策定目指す

（市町村 2015-07-29付）

市長、教育長をはじめ７人が出席

　札幌市は二十七日、ニューオータニイン札幌で第一回総合教育会議を開いた＝写真＝。会議の設置要綱等について確認したほか、札幌市教育振興基本計画を基本として大綱を策定することを決定した。大綱の期間は四～五年を想定。十月に開催する第二回会議で素案を提示する予定で、内容について審議し、年内の策定を目指す。

　会議には、秋元克広市長や長岡豊彦教育長、町田隆敏副市長、山中善夫委員、池田光司委員、池田官司委員、阿部夕子委員の七人が出席した。

　冒頭、出席者自己紹介のあと、秋元市長があいさつ。総合教育会議の概要にふれたほか、「子どもたちを取り巻く環境が変化し、少子超高齢化社会の中で、子どもたち一人ひとりの生きる力を育んでいく環境整備に、私たち大人が社会全体の中で取り組んでいかなければならない。直接話し合うこの場を札幌の子どもたちの環境整備のため、有効に活用したい」と述べた。

　長岡教育長は、先日、岩手県において中学生がいじめにより自ら命を絶った事件にふれ、「子どもたちが自他を尊重し、自己肯定感や自己有用感を高め、主体的にいじめをなくす意識を高めていくことが課題解決には必要。すべての教職員、家庭の力を結集していじめが起こらないように全力で取り組まなければならない」と述べたほか、新たな教育委員会制度のもと、総合教育会議が設置されたことについて、「すべての子どもたちのため、学校教育の充実はもちろん、教育課題の解決を図っていきたい」とあいさつした。

　議事では札幌市総合教育会議運営要綱（案）および傍聴に関する要領（案）について決定したあと、札幌市の教育等の振興に関する「大綱」について審議した。

　大綱の要領について事務局が提示したあと、長岡教育長が札幌市教育振興基本計画について説明。秋元市長は「札幌市教育ビジョンに掲げられている、札幌市の教育が目指す人間像『自立した札幌人』について、①未来に向かって創造的に考え、主体的に行動する人②心豊かで自他を尊重し、共に高め合い、支え合う人③ふるさと札幌を心にもち、国際的な視野で学び続ける人―の三点は、私が目指す札幌の町づくりと合致する」と話し、大綱の策定について札幌市教育振興基本計画を基本として進めることを決定した。

　このあと、大綱の策定に向けて意見交流を実施。十月開催の第二回会議で札幌市教育振興基本計画や、今回の会議の意見などを取りまとめた大綱の素案を提示する予定となっている。

　大綱の期間は、市長の任期が四年であること、また国の教育振興基本計画の対象期間が五年であることから四～五年を想定。年内の策定を目指す。

(市町村 2015-07-29付)