中学校の国語・数学―A問題で全国平均上回る 帯広市教委が全国学力・学習状況調査結果を公表(市町村 2015-10-14付)
【帯広発】帯広市教委は、二十七年度全国学力・学習状況調査における市の結果を公表した。小学校では、五科目とも全国平均を下回った。中学校では、国語Aと数学Aが全国平均を上回った一方で、国語B、数学B、理科で下回る結果となった。市教委では、「昨年と比べて少しずつではあるが、改善がみられる」とし、「引き続き、地域総がかりで未来を担う〝おびひろっ子〟を育んでいきたい」と話している。
本年度の全国学力・学習状況調査は、市内の小学六年生一千二百九十九人、中学三年生一千三百五十七人に対して実施した。市では、前年度から全体の平均正答率の数値を示している。
結果をみると、小学校では、五科目すべてで全国平均を下回った。特に、算数科は、A問題・B問題ともに、全国平均と比べて五ポイント程度下回る結果となった。国語・算数四科目のうち、国語Bを除く三科目で、前年度と比べて全国平均との差が広がった。二十四年度以来の調査となった理科においては、全国平均に対して〇・六ポイント下回ったのに対し、全道平均と比べて〇・九ポイント上回った。
中学校では、国語Aと数学Aで全国平均を上回った。一方で、国語B・数学B・理科はいずれも全国平均を下回った。全道平均を上回ったのは、国語A・数学A・数学Bの三教科となった。
市内小中学校における平均正答率のばらつきをみると、全国平均を上回った小学校は、国語Aで七校(前年度比五校減)、国語Bで七校(同二校減)、算数Aで四校(同三校減)、算数Bで四校(同六校減)、理科で十校(二十四年度比三校増)だった。
また、全国平均を上回った中学校は、国語Aで九校(前年度比二校増)、国語Bで六校(同一校増)、数学Aで八校(同一校減)、数学Bで四校(同七校減)、理科で七校(二十四年度比一校増)であった。
さらに、 全道平均を五ポイント以上下回った小学校は、国語Aで三校(前年度比一校減)、国語Bで九校(同一校減)、算数Aで十二校(同五校増)、算数Bで十二校(同四校増)、理科で五校(二十四年度比五校減)だった。中学校では、数学Bで前年度と同数の一校、理科で一校(前年度比三校減)、国語A、国語B、数学Aではなかった。
校種・科目ごとの平均正答率も公表。小学校国語をみると、A問題では、四領域のうち「話すこと・聞くこと」、観点別では「話す・聞く能力」が全国との差が大きく開いた。B問題では、四領域いずれも全国平均を下回った。また、問題形式別では「記述式」で全国平均を大きく下回った。
小学校算数は、A問題において、四領域いずれも全国平均を下回った。中でも、「量と測定」が全国との差が最も大きい。B問題においても、いずれも全国平均を下回った。また、問題形式別では国語B同様、「記述式」で全国平均を大きく下回った。
小学校理科は、六〇・二%(全国は六〇・八%)。四区分のうち「生命」で全国平均を上回った。観点別では、「観察・実験の技能」「自然事象についての知識・理解」で全国平均を上回った。
中学校国語は、A問題四領域のうち、「書くこと」「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」で、観点別では、「言語についての知識・理解・技能」で全国を上回った。B問題では、「話すこと・聞くこと」、観点別では、「話す・聞く能力」で全国を上回った。
中学校数学は、A問題において四領域のうち、「図形」「関数」、観点別では「数量や図形などについての知識・理解」で全国を上回った。B問題では四領域と観点別のうち、全国と同値だった「図形」以外は、全国平均を下回った。
中学校理科は、分野別の「地学的領域」、観点別では小学校同様「自然事象についての知識・理解」で全国平均を上回った。
質問紙調査については、「家で授業の復習をする児童生徒の割合」は、前年度同様に全国平均より高く、小学校は三〇・四%(全国は二三・三%)、中学校は二三・一%(同一八・五%)だった。
一方、「普段一日当たり三時間以上、テレビやビデオ・DVDを見たり、聞いたりする児童生徒の割合」では、小学校三八・八%(同三六・一%)、中学校三六・二%(同三〇・五%)という結果になった。
市教委では、「昨年と比べて少しずつではあるが、改善がみられる。これまでの取組を徹底して行ってほしい」と指摘。「引き続き、〝授業改善〟と〝望ましい生活習慣の確立〟を柱に学校・家庭・地域の連携を一層進め、地域総がかりで未来を担う〝おびひろっ子〟を育んでいきたい」と話している。
なお、調査結果は七日から市のホームページで公表している。
(市町村 2015-10-14付)
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