小学校高学年算数で少人数指導充実へ まちづくり戦略ビジョンアクションプラン2015 札幌市(市町村 2015-10-07付)
札幌市は六日、札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015案を発表した。二十七年度から三十一年度までの五年間で実施する政策的事業の到達すべき目標値を設定したもの。市教委関係分では、小学校高学年を対象に二十五人程度の少人数指導の充実を図る、仮称・算数にーごープロジェクトや、中学校の運動部活動に外部指導者としてアスリートを派遣し、スポーツに対する意欲・関心の向上を図る中学校運動部活動支援事業、小中一貫教育の在り方等を検討する小中連携・一貫教育推進事業などを盛り込んだ。今後パブリックコメントなどを実施し、年内にプランをまとめる予定となっている。
同プランは、二十五年度に策定した札幌市まちづくり戦略ビジョンを実現するための中期実施計画として、市の行財政運営や予算編成の指針となるもの。戦略ビジョンとともに市の総合計画に位置付けられ、二十七年度から三十一年度までの五年間を計画期間としている。
戦略ビジョンに掲げる八つの創造戦略と、それを支える都市空間創造戦略に基づいて、①互いに支え合う地域福祉が息づく街②誰もが生涯現役で活躍できる街③地域の課題を地域の力で解決する街④北海道経済の成長をけん引する街⑤国内外の活力を取り込む街⑥産業分野の人材を育む街⑦自然と共生する環境負荷の少ない街⑧エネルギー効率の高い持続可能な街⑨世界都市として魅力と活力あふれる街―の九つの政策目標を設定した。
政策目標の実現に向けて、計画期間に実施するすべての政策的事業を計画の対象とし、到達すべき目標値を掲げている。
秋元克広市長が施政方針に掲げた、「雇用を生み出す力強い街さっぽろをつくる」「女性が輝き子どもたちが健やかに育つ街さっぽろをつくる」「いつまでも安心して暮らせる街さっぽろをつくる」「魅力と活力にあふれた暮らしやすい街さっぽろをつくる」の四つを重点課題と位置付けて事業に取り組むことで、「誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街さっぽろ」「世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街さっぽろ」の二つの未来の札幌の姿を描いていく。
市教委関係分をみると、課題探求的な学習の充実の一環として、小学校高学年を対象に、個に応じた手厚い指導によって算数学習への意欲や論理的思考力を高めるため、二十五人程度の少人数指導の充実を図る「仮称・算数にーごープロジェクト事業」を計画。三十一年度までにすべての学校で事業を実施することを盛り込んだ。
また、中学校の運動部活動に外部指導者としてアスリートを派遣し、中学生の充実した運動環境を整え、スポーツに対する意欲・関心の向上を図る中学校運動部活動支援事業では、三十一年度までに累計派遣校数四十校を目指すなど事業ごとに到達すべき目標値を設定している。
また、中学校の運動部活動に外部指導者としてアスリートを派遣し、中学生の充実した運動環境を整え、スポーツに対する意欲・関心の向上を図る中学校運動部活動支援事業では三十一年度までに累計派遣校数四十校を目指すなど事業ごとに到達すべき目標値を設定している。
札幌市まちづくり戦略ビジョンアクションプラン2015における市教委が実施する主な事業はつぎのとおり(市教委以外の主な事業は後日掲載)。
▽第三次生涯学習推進構想策定=二十八年度までに策定
▽市立特別支援学校の教育内容等の拡充=三十一年度までに企業就労を目指す生徒の就労率一〇〇%
▽仮称・南部高等支援学校における就労支援体制の拡充=三十一年度までに企業就労を目指す生徒の就労率一〇〇%
▽学びのサポーター活用事業=三十一年度までに特別な教育的支援を必要とする子ども一人当たりに対する支援可能時間二百二時間
▽中学校運動部活動支援事業=三十一年度までに累計派遣校数四十校
▽学校施設改築事業=三十一年度までに計画期間内の事業着手校数十五校
▽高校等生徒通学交通費助成事業=三十年度までに通学交通費の助成開始
▽スクールカウンセラー配置事業=三十一年度までに小学校へのスクールカウンセラー配置時間数六十九時間
▽特別支援教育地域相談事業=三十一年度までに電話予約から来所相談を実施するまでの平均待ち時間を十四日以内
▽地域の拠点としての学校図書館活用事業=三十一年度までに学校図書館地域開放校数百二十一校
▽青少年科学館を活用した理科教育推進事業=三十一年度までに青少年科学館を利用して理科学習を実施した児童生徒数二万人
▽教育の情報化推進事業=三十一年度までに教員や児童生徒が授業で活用するタブレット台数三千五百二十九台
▽課題探究的な学習モデル研究事業=三十一年度までに新たな学習モデルの確立
▽仮称・算数にーごープロジェクト事業=三十一年度までに算数で課題探求的な学習を少人数指導で計画的に行う小学校の割合一〇〇%
▽小学校における英語専門教師配置事業=三十一年度までに英語専門教師が配置されている小学校数二百二校
▽オリンピック・パラリンピック教育推進事業=三十一年度までにオリンピック・パラリンピックを題材とした授業を実施する学校数二百九十九校
▽学校図書館司書配置事業=三十一年度までに学校図書館司書が配置されている中学校数九十七校
▽小中連携・一貫教育推進事業=三十一年度までにモデル研究校数二校
▽国際理解教育推進事業=三十一年度までに週一回ALTとの授業を実施している中学校数九十七校
▽図書・情報館整備事業=三十一年度までに調査支援件数三千件
▽学校施設リニューアル改修事業=三十一年度までにリニューアル改修事業実施校数十五校
▽学校施設緊急整備事業=三十一年度までに緊急整備対象校の改修率五七・一%
▽学校給食施設整備事業=三十一年度までにドライシステム給食施設整備校数三校
(市町村 2015-10-07付)
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