１６０人が講演など通じ研鑚　特別支援教育研究協道東地区大会

（関係団体 2015-08-04付）

特別支援教育研究協議会道東地区大会

　【釧路発】第三十七回道特別支援教育研究協議会道東地区大会釧路大会兼釧路養護学校公開研究会が七月二十八日、釧路養護学校で開催された＝写真＝。道東地区の教員百六十人が参加。講演や研究交流、部会での協議等を通じて、特別支援教育の充実を目指した。

　研究主題は、「地域社会で自分らしく生きる児童生徒を育てるために～未来につながる魅力ある教育の実践」。児童生徒が様々な集団や社会的な関係の中で自分らしさを発揮していくこと、地域社会において主体的に生きていくことなどのために適切な指導や必要な支援を保障する研究を進めてきた。

　開会に当たり、実行委員長の田近和憲釧路養護学校長があいさつ。「児童生徒が学校卒業後に主体的で豊かな地域生活ができるよう生きる力を育成することが大切」とし、「大会を通して得た成果をそれぞれの学校で生かして」と呼びかけた。

　引き続き、全体講演を実施。北翔大学生涯スポーツ学部スポーツ教育学科の和史朗准教授が「未来につながる今を見据えた授業づくり」と題して講演した。和准教授は、魅力ある教育について、「児童生徒のプリファレンスを生かした“やってみたい！”“楽しい！”と思える活動を準備することが重要」と指摘。児童生徒が主体的に活動するために、①児童生徒の活動機会を増やす②教師がやってきたことを生徒にさせる③待ち時間を減らす④あらゆる場面において常にねらいを設定する⑤児童生徒が自発的に動ける手がかりが用意されている―の五点を提示した。

　このあと、校内研究交流や寄宿舎見学、授業ビデオ・教材公開を実施。午後からは六つの部会で「指導案・提言レポート」を通じ、日ごろの教育実践を交流した。

　各部会の指導案・提言レポートのテーマと提言者はつぎのとおり。＝敬称略＝

▽遊びの指導部会＝「わんぱく列車であそぼう」―北見支援教諭・大東裕美

▽生活単元学習部会＝「運動会に向けて」―紋別養護教諭・米山隆弘

▽作業学習部会＝「家事援助～アイロンでワイシャツのシワをきれいに伸ばそう」―釧路鶴野支援教諭・小笠原純

▽自立活動部会＝「選んで遊ぼう！入れて遊ぼう！（人との関わりを広げる学習～コミュニケーションおよび身体の動きを中心に」―帯広養護教諭・鈴木良朋

▽寄宿舎部会＝「対応が難しい生徒に対して寄宿舎でできたこと、できなかったこと～学校・寄宿舎・保護者・医療との連携」―中札内高等養護専門寄宿舎指導員・郡山圭子

▽特別支援教育と地域連携を考える部会＝中標津高等養護教諭・西達也　

(関係団体 2015-08-04付)