延べ相談件数14・4%増の3713件に 札幌市子どもアシストセンター26年度相談状況(関係団体 2015-07-30付)
札幌市子どもの権利救済機関「子どもアシストセンター」に寄せられた二十六年度の相談状況がまとまった。相談実件数は一千四十六件(一・一%増)、延べ件数三千七百十三件(一四・四%増)だった。二十六年度は特に、調査や調整につながる可能性がある相談案件について、極力面談につなげて相談者の話を聞くことを心がけた結果、面談による相談人数は延べ三百十五人と前年度比百三十七人増となった。
二十一年度に開設した同センターは、子どもに関する相談に幅広く応じ、適切な助言や支援を行うとともに、権利侵害からの救済の申立てなどに基づき、その子どもの最善の利益の実現を図るため、問題解決に向けた調査や関係機関間の調整を行っている。救済委員が必要と判断とした場合、「勧告」「意見表明」「是正要請」を行う権限もある。
二十六年度の相談件数について、実件数は前年度と比べて十一件増の一千四十六件、延べ件数は四百六十六件増の三千七百十三件だった。初回の相談で最も多いのは電話による相談で、実件数六百三十八件(六一%)となっているが、メールの方が相談のやり取りの回数が増える傾向にあり、延べ件数ではメールの件数が二千六十三件と多く、全体の五五・六%を占めている。
相談者の内訳をみると、子どもと母親からの相談が大半を占め、両者合わせると実件数の九二・九%で、延べ件数では全体の九一・三%を占める。相談方法はメールが最も多く延べ件数では二千六十三人と五四・四%を占め、次いで電話が一千四百十一人と三七・二%となっている。
二十六年度は特に、調査や調整につながる可能性がある相談案件について、極力面談につなげて相談者の話を聞くことを心がけた結果、面談による相談人数は延べ三百十五人と前年度比百三十七人増となり、全体の八・三%を占めている。
相談してきた子のうち、最も多いのは中学生で二百七十八件(四六・三%)、次いで小学生百六十四件(二七・三%)となっている。
相談対象となった子の内訳をみると、中学生に関する相談が最も多く四百十八件(四〇%)、次いで小学生三百六十一件(三四・五%)、高校生百三十七件(一三・一%)と続く。
相談内容は八項目に分けており、延べ件数全体でみると、学校生活に関する相談が最も多く二千二百二十六件(六〇%)、次いで家庭生活八百件(二一・五%)、性格行動(二百三十五件(六・三%)となっている。
さらに細分化した項目を示すと、子どもの相談では①友人関係八百五十一件(三八・五%)②親子・兄弟関係三百四件(一三・八%)③情緒不安定百二十二件(五・五%)④子どもと教師の関係百一件(四・六%)⑤いじめ八十三件(三・八%)。
大人の相談では、「親子・兄弟関係」二百六十五件(一七・六%)、「子どもと教師の関係」二百五十三件(一六・八%)、「友人関係」二百三件(一三・五%)、「不登校」百八十二件(一二・一%)、「いじめ」百十四件(七・六%)が上位を占めている。
電話相談の時間帯は、子ども・大人とも午後一~五時が多く、特に、子どもは学校から帰ってきてからの午後四~八時、大人からは午前中にも多くの電話相談を受ける傾向にある。
当事者同士の間に入る調整活動は三十一件。うち学校を調整先とする案件は二十二件で、二十五年度から五件増加した。児童相談所を調整先とする案件は三件で、うち一件は虐待が疑われる案件だった。調整活動の延べ数は三百六十九回で、二十五年度の百二十五回と比べ、二百四十四回増。子どもの心理的な不安や、保護者の学校等に対する不信が解消するまで、長期にわたって面談等による支援を繰り返したため、回数が増えている。
子どもの権利侵害を個別救済する「救済の申立て」では、二件を受理。いずれも所属する団体の退団に関する案件だった。
(関係団体 2015-07-30付)
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