保育者の役割など探究　道幼研教育研究全道大会開く

（関係団体 2015-08-04付）

道国公立幼稚園・こども園教育研会が研究大会

　道国公立幼稚園・こども園教育研究会（＝道幼研、三島裕一会長）主催の第五十三回北海道国公立幼稚園・こども園教育研究大会全道大会が七月二十七日から二日間、ホテルライフォート札幌で開かれた。全道各地から二百人をこえる会員が結集。幼児教育の充実に向け、講演会、分科会討議、シンポジウムなどを通し、保育者の役割について探究し、思いを共有した。

　大会主題は、「“生きる力”の基礎をはぐくむ幼児教育の充実～幼児の主体的な活動としての遊びを支える保育者の役割」。

　初日の開会式＝写真＝では、三島会長があいさつ。札幌での全道大会開催の経緯や大会の内容を説明した上で、「本年度の研究大会は、今までになかった形の大会になる。本会の研究大会は出来上がった何らかの成果をもち帰っていただくというよりも、全道各地から熱意ある会員が集い、協議、交流し、あしたへの活力をみなぎらせ、会員相互の絆をより強くする場」と強調。「本大会で得た保育の“種”を各地区・各園にもち帰り、それぞれの風土、歴史、文化の中でしっかりと根づかせ、育み、花を咲かせていただきたい」と呼びかけた。

　続いて、道教委の杉本昭則学校教育監と札幌市教委の長岡豊彦教育長が来賓祝辞。「各幼稚園などでは、直接指導に当たる教員の資質・能力の向上に努め、保護者や地域の方々に信頼される幼稚園、こども園づくりを推進するとともに、園運営の状況について点検・評価を行い、広く保護者や地域に公表することなどを通して、教育活動の改善・充実を図ることが重要」（杉本学校教育監）、「本研究大会において、日々の実践をもとに幼児教育の重要性を今一度確認していただくとともに、幼児一人ひとりが生きる力の基礎である生きる喜びを味わうことができるよう、それを担う保育者の役割について積極的に協議を」（長岡教育長）などと述べ、大会の成果に期待を寄せた。

　開会式に続いて、菅原由美研究部長が基調報告に立ち、前年度の渡島大会の研究成果を振り返りながら、今大会の研究主題などを説明。「本道の子どもたち、保護者、地域の人たち、私たち保育者が笑顔で元気で生活することを願い、皆さんでこの大会を実りあるものにつくり上げていこう」と呼びかけた。

　このあと、「幼児教育に今求められること、これから求められること～子ども・保育者・保護者、社会に幸せを生み出す保育とは」と題し、東京大学大学院教育学研究科教授の秋田喜代美氏が講演した。

　さらに、第一Ａ分科会では赤平市立赤平幼、第一Ｂ分科会では羅臼町立羅臼幼の提言を受け、幼児の心と体の育ちを支える保育者の役割について協議。第二分科会では函館市立戸井幼の提言を受け、幼児の生活をより豊かにする家庭・地域社会との連携のための保育者の役割を探った。

　二日目は、「家庭・地域社会と遊びの重要性を共有するためには」をテーマに、シンポジウムを実施。道教育大学岩見沢校教授の阿部宏行氏、札幌国際大学人文学部心理学科こども心理専攻講師の木村彰子氏、別海町立別海中央小学校長の住吉幹城氏、札幌市立かっこう幼元保護者の渋谷誠一氏がシンポジストを務め、遊びの重要性やこれからの幼児教育に求められることなどについて、それぞれの立場から意見を発表。全道の幼児の健やかな成長に向け、参加者は自らの地域の小学校、家庭、地域との連携の重要性をあらためて認識した。

(関係団体 2015-08-04付)