函館市教委が教育フォーラム開催　子どもの資質能力育成へ　文科省・合田氏が講演

（市町村 2015-08-13付）

函館市教委が教育フォーラム

　【函館発】函館市教委主催の「教育フォーラムｉｎ函館～子どもたちの明るい未来のために」が七月二十七日、ロワジールホテル函館で開かれた＝写真＝。玉川学園学園教学部長の渡瀬恵一氏、文部科学省初等中等教育課程課長のの合田哲雄氏による講演やパネルディスカッションを通して、次期学習指導要領を見据え、新しい時代にふさわしいカリキュラムや授業の在り方を考えた。

　郷土・函館を誇れる子どもに育成すべき資質や能力、新しい時代にふさわしいカリキュラムや授業の在り方について、参加者とともに考えることを目的に開催した。

　開会式では、山本真也教育長が「人材育成のためにどのような教育環境が良いか、これからの教育の一助となることを願っている」とあいさつした。

　続いて、渡瀬氏が「子どもに育成すべき資質・能力」と題して講演。学習指導要領等改訂の方向性を述べ、その理念を実現するためのカリキュラム・マネジメントについて説明した。

　特別講演では、合田氏が「新しい時代にふさわしいカリキュラムや授業の在り方」と題して講演。教育課程の変遷や現状の学校教育の課題を説明した上で、学習指導要領改訂の学習・指導方法の方向を話し、高大接続などの課題改善について話した。

　このあと、「子どもの資質・能力を育むために」をテーマに、パネルディスカッションを実施。パネリストとして、渡瀬氏、合田氏、函館市立亀田小学校長の秋山隆行氏、函館市立桔梗中学校長の中村吉秀氏、函館市ＰＴＡ連合会長の青田基氏の五人、コーディネーターとして道教育大学函館校教授の坂本紀子氏が務め、それぞれの立場から、子どもが身に付けるべき資質・能力について意見交換した。

　秋山氏は、校長会アンケートの結果を取り上げ、「小学校では一番身に付けるべき力は〝人間関係形成力〟という回答が一番多かった」と説明。中村氏も「校長会でアンケートを取ったところ、同じく〝人間関係形成力〟が一番身に付けるべきという回答が最多という結果になった」と報告した。青田氏は、企業人としての立場から、「企業が求める人材と、学生が思っていることとの間にギャップがある」と強調した。

　渡瀬氏は、小学校入学前の子どもに対して身に付けさせる資質能力として、「安心感や自己肯定感を高めることが大切」などと呼びかけた。合田氏は、これらを踏まえて、「対人関係能力、チームで行うことを社会に転換していく力が重要」と話すなど、子どもの発達段階の中で何を目的に、どんな方法があるか議論を交わした。

(市町村 2015-08-13付)