旭川らしい取組の推進を　旭川市教委が小中連携・一貫教育推進研開催

（市町村 2015-08-12付）

旭川市教委小中連携・一貫教育推進研

　【旭川発】旭川市教委は三～四日、旭川市大雪クリスタルホールで小中連携・一貫教育推進研修会を開いた＝写真＝。両日合わせて約六百人が参加。市教委で進める小中一貫教育モデル校の市立神居小学校・神居中学校による取組発表や、文部科学省初等中等教育局教育制度改革室室長補佐の武藤久慶氏による講演を通して、旭川市らしい小中連携・一貫教育の在り方を考えた。

　市教委では、将来的な小中一貫教育の指針として、「小中連携・一貫教育の基本的な考え方」を六月に策定。国の動向を踏まえ、中一ギャップへの対策や、神居小学校・神居中学校と旭川小学校・旭川中学校をモデル校とした小中一貫教育モデル事業などの取組を盛り込んだ。

　同研修会は、この「基本的な考え方」に基づき、小中連携・一貫教育の推進を通して、児童生徒の健全な心身の発達や学力の向上をねらって開催した。

　初日の冒頭、小池語朗教育長があいさつ。小中一貫教育における国の動向や旭川市での取組にふれ、「本市でもまだまだ小中連携・一貫教育の取組が浅く、試行錯誤を経て完成モデルを探っているのが実態」と現状を伝えた。その上で、「本市でも各学校の課題を洗い出し、旭川市らしい小中一貫教育の推進が求められている。研修を通して、小中連携のアイデアを出し合い、子どものより良い心身発達や学力の向上に貢献してほしい」と呼びかけた。

　つぎに、学校教育部の櫛部治彦課長補佐が「小中連携・一貫教育の基本的な考え方」について説明した。

　続いて、神居小の有田隆志教諭と神居中の岸和宏教諭が両校におけるモデル事業を報告。相互授業参観や乗り入れ授業、小中連携懇談会、「ポイ捨てなくそうクリーン作戦」、ワークシートによる小・中学生の紙面交流などの実践を紹介した。

　その成果として、教職員の児童生徒に対する実態や指導方法の違いなどについて理解が深まったほか、小学六年生の中学校生活への不安の減少などがあったことを伝えた。

　課題としては、より一層の共通理解をはじめ、小学校での一部教科担任制の導入、小学校外国語活動における中学校英語科教員の定期的なチームティーチング授業を挙げた。

　本年度の取組としては、小学校の立場から事業を見直し、内容を精選するとともに、学校間の連携を強化。課題を踏まえ、発達段階に応じた学習習慣・学習規律の定着を図ることとした。

　その上で、神居小では中学校の授業スピードや板書量の多さに対応できるノート指導に着手。神居中では、家庭学習の手引きを再編するとともに、学習サポートや長期休業中の学習会を工夫することを説明した。

　このあと、中学校区ごとのグループに分かれて実践などについて交流した。

　なお、四日も同様の研修を行い、旭川市らしい小中連携・一貫教育の在り方を考えた。

(市町村 2015-08-12付)