道教委が緊急コールシステム整備　転落時の信号受ける　水産高の実習船２船に

（道・道教委 2015-08-20付）

　道教委は本年度、水産高校で使用する実習船二船に「緊急コールシステム」を整備する。生徒一人ひとりに送信機を携帯させ、転落時に信号を受けるシステム。ことし二月にハワイ沖で実習船に乗っていた男子生徒が行方不明になった事案を受けて設置する。甲板部へのドア開放時に自動的に警報する装置なども配置する。

　小樽水産高校、函館水産高校、厚岸翔洋高校では実習船「若竹丸」「北鳳丸」を使い、漁業の基本的知識や技術を高める乗船実習などを行っている。

　ことし二月には、実習船に乗っていた道内の男子生徒がハワイ沖で行方不明となる事案があり、船員が甲板出入口のセンサー付き夜間監視装置のスイッチを入れ忘れていたことが明らかとなった。

　実習船二船の安全運航を確保するため、甲板部のドアが開放すると自動的に警報を発する装置と、ドア外側に自動点灯式の照明を設置した。

　さらに転落などの事故があったときに信号を受け取り、操舵室内で警報を発する「緊急コールシステム」を整備。生徒一人ひとりが携帯する送信機四十八台も備える。

　八月末には、函館水産高校の海洋技術科・機関工学科の一年生が緊急コールシステムを整備した若竹丸で体験乗船を行う。五日間の日程で青森県を回って戻る予定。

(道・道教委 2015-08-20付)