道・北東北人事交流の実践報告 北東北の教育活動等紹介 2年間の成果をHPで公開―道教委
(道・道教委 2015-08-21付)

 道教委は、「北海道・北東北三県教員人事交流」に参加した四人の教員の実践をまとめ、ホームページで公開した。二十五・二十六年度の二年間、北東北で勤務した二人と、本年度、秋田県から来道した二人の実践を紹介。北東北における特色ある教育活動の様子、学力向上に関する取組などを紹介しており、「より高い進路意識を喚起させる組織的な指導を研究、実践したい」など、本道教育の充実に向けた意気込みを語っている。

 道教委では、十六年度から道内の教員と青森県、秋田県、岩手県の教員との人事交流を実施。多様な教育実践を体験することによって、教員としての実践力の向上を図るとともに、その交流の成果を、本道の学力向上や特色ある学校づくりの推進に生かすことを目指している。

 これまで北海道から北東北三県に派遣された教員や、北東北三県から来道した教員が、勤務校の特色ある教育活動の様子、学力向上に関する取組、自身が取り組んだ教育実践など交流の成果について道教委のホームページで報告している。

 今回は、二十五年四月一日から二十七年三月三十一日まで、岩手県で勤務した小樽潮陵高校の田中崇志教諭、同じく秋田県で勤務した北見市立北小学校の上谷直也教諭の成果を報告。また、ことし四月に北海道へ来た秋田県由利本荘市立由利小学校の三浦睦美教諭、秋田県立ゆり養護学校の京屋敦教諭の取組もまとめた。

 岩手県立盛岡第一高校へ派遣された田中教諭は、東大などへの進学を支援する岩手県の進学指導事業「超難関大講座」や、予備校講師を招き教員向け受験指導法の研修を行う「進路セミナー」、授業見学や指導方法の研修を行い、指導力を高め合う東北各校の連携などを紹介。

 今後については、「多様な意見を取り入れ、自ら課題設定し、解決していく力を育む新しい学力観に基づいた授業を研究、改善したい」「大学や職場訪問、OB交流、グループ化、講演会などによって、より高い進路意識を喚起させる組織的な指導を研究、実践していきたい」と述べている。

 秋田県立比内養護学校に勤務した上谷教諭は「社会に参加する力を育む教育活動を重点の一つに置き、自立的な社会参加、地域に貢献する学校を目指している」と同校を紹介し、秋田県の実践を広く伝えていきたいとの意気込みを語っている。

 登別市立幌別小学校で働く三浦教諭は「秋田県では、地域と連携したキャリア教育の充実や英語コミュニケーション能力の育成を重点に掲げ、生きる力を育み自立した社会人となることを目指した〝問い〟を発する子どもの育成を最重点の教育課題としている」と説明し、これまで取り組んできた学習習慣の定着や言語能力を高める具体的実践を報告している。

 小樽高等支援学校へ派遣されている京屋教諭は、秋田県に高等部単独の特別支援学校はないが、各校とも実践的な職業教育に力を入れて昨年度の就職率は四一・七%と全国トップクラスだったこと、全ての学校で作業製品の品質向上に取り組んでおり、地場産業を取り入れた新製品を開発していることなどを提示している。

 それぞれの実践は、道教委のホームページ(http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/ksi/stjj/jinjikoryu.htm)で紹介している。

(道・道教委 2015-08-21付)

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