道教委キャンパス校・センター校連携研 遠隔システムの利点生かした授業を 文科省指定研究発表など(道・道教委 2015-08-24付)
地域キャンパス校・センター校連携研究協議会
道教委は十九日、江別市内の道立教育研究所で二十七年度地域キャンパス校・センター校連携研究協議会を開いた。文部科学省指定の遠隔授業研究開発に取り組む研究開発学校・研究協力校が実践発表し、遠隔システムの利点を生かして授業展開していること、サポート教員が大きな役割を果たしていることなどを報告した。
道教委では、ほかの高校への通学が困難な地域があり、地元からの進学率が高い一学年一学級の高校を地域キャンパス校とし、同一通学区域内のセンター校からの出張授業や遠隔授業、連携した教育活動を通して、教育環境の維持充実を図っている。本年度は、全道十九組三十八校で導入している。
また、道教委は、二十五年度から文科省の指定を受け、遠隔授業の研究開発に着手。離島の高校や小規模の高校五校を研究開発学校とし、その教育水準の維持向上を図るため、研究協力校七校から遠隔システムで授業を配信し、指導方法や単位認定の在り方などについて、四ヵ年計画で研究を進めている。
この日の連携研究協議会は、地域キャンパス校とセンター校の在り方について研究協議を行い、地域キャンパス校の教育環境の維持向上などを図るために開いたもので、地域キャンパス校・センター校の教諭や関係教育局の担当指導主事約五十人が参加。遠隔システムの活用方法や授業の進め方について、早い段階から研究を深める必要があることから、例年よりも早い時期の開催となった。
相馬哲也新しい高校づくり推進室参事(改革推進)が開会あいさつ。文科省指定研究開発について、「研究開発学校からは、〝これまで開設できなかった科目が開設でき、生徒の学習選択幅が広がった〟などの成果が報告されている」と述べた。
また、国の制度改正で、一定要件のもと、遠隔授業による単位認定が可能となったことから、「遠隔授業については、地域キャンパス校・センター校間で、出張授業が困難な場合に、それを補完するものとして実施しているが、国の省令改正を踏まえ、遠隔授業の積極的な実施について通知した」と説明した。
このあと、全体会1では、担当者が省令改正や研究開発の成果と課題などについて説明したほか、研究開発をもとに作成した『遠隔授業指導事例』の活用を呼びかけた。
続いて、道研と研究開発学校の礼文高校を結んだ古典の遠隔授業を公開=写真=。研究協力校である岩内高校の猪股純教諭が道研から指導し、漢詩を読み味わう授業を行った。
また、研究開発学校の南茅部高校・照井広志教諭と研究協力校の倶知安高校・信田匡哉教諭が実践発表した。
受信側として発表した照井教諭は、遠隔授業の導入によって、数学の習熟度別授業をきめ細かく実施できるようになったこと、サポート教員が大きな役割を果たしていることなどを報告した。
配信側の信田教諭は、小さなものを拡大して全体に提示する等の遠隔システムの利点を生かすなど、工夫して遠隔授業を展開していること、授業時だけではなく事前・事後も含めて受信側のサポート教員と連携して取り組んでいることなどを報告。一方で、授業進度への配慮やシステム停止時の対応などを課題に挙げた。
(道・道教委 2015-08-24付)
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