道教委等が胆振でメンタルヘルスセミナー　元気の出る学校づくりへ　９０人が講義や演習で研鑚

（道・道教委 2015-09-11付）

胆振でメンタルヘルスセミナー

　【室蘭発】道教委と公立学校共済組合道支部は八日、苫小牧市民会館で二十七年度メンタルヘルスセミナーを開催した＝写真＝。主題「元気の出る学校づくり」のもと、講義・演習などを実施。日常のコミュニケーションが、職場におけるメンタルヘルスの保持・増進につながることを確認した。

　セミナーは、職員のメンタルヘルス対策の一環として、心の健康不調の予防や早期対応を図ることを目的に開いたもの。胆振・日高・石狩管内の公立小・中学校、高校、特別支援学校の管理監督者ら約九十人が出席した。

　開会に当たって、あいさつに立った道教委教育職員局福利課の中野公徳主幹は、全道における教職員の病気休職者について、「約七割が精神疾患によるものであり、憂慮すべき状況」と説明。その上で、児童生徒と人格的なふれあいを続けていくためにも、「教職員が心身ともに健康を維持して教育に携わっていくことは極めて重要」と強調した。

　また、学校経営の視点からも、「学校力向上、チーム学校の要となる教職員が健康であることが大前提であり、メンタルヘルス対策の充実・推進を図ることは喫緊の課題」と指摘。「セミナーを通じて、メンタルヘルス対策の取組の一層の充実を図っていただきたい」と呼びかけた。

　講義・演習では、公立学校共済組合道支部学校支援アドバイザーの石垣則昭氏が講師を担当。「管理監督者による未然防止、早期発見の対応」と題し、職場における実際の対応を中心とした講義を行った。

　石垣氏は、メンタルヘルスの問題について、「未然防止、早期発見のためコミュニケーションの知識を深めることが必要」と説明。管理監督者に必要な視点として、①観察②心がけ③傾聴④連携―の四点を挙げた。また、深い眠りにつくことやストレッチ、上下・利害関係がない人とのおしゃべりなど、“心を守るケア”の重要性も説いた。

　このあと、道教委教育職員局福利課の前川春美主査が「復職支援の取組～療養開始から復職後まで」と題して、復職支援の流れや具 体的な対応方法などを紹介した。

(道・道教委 2015-09-11付)