渡島教育局　地域の学力向上支援事業第２回協議会　学テ結果で授業改善を　国研・黒田調査官が講演

（道・道教委 2015-10-20付）

地域の学力向上支援事業推進協議会

　【函館発】渡島教育局は九月中旬、森町立さわら小学校（住吉聡校長）と砂原公民館で、ほっかいどう学力向上推進事業「地域の学力向上支援事業第２回推進協議会」を開催した。国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部の黒田諭学力調査官・教育課程調査官が全国学力・学習状況調査の活用法について講演を行った＝写真＝。

　管内の支援地域や拠点校の課題等を解決するため、今後取り組むべき具体的な改善策等についての協議を行い、学力向上のため、成果を普及することを目的に開催した。

　午前中は、支援地域の教委職員、拠点校の教員等十二人が参加。さわら小の取組について説明したあと、授業参観を実施し、授業改善の取組について協議を行った。

　午後からは、管内の小・中学校から地域連携研修の連携校の教員ら五十一人が参加。砂原公民館で公開講演「全国学力・学習状況調査の結果を活用した授業改善について」を実施した。

　はじめに、渡島局の田中君枝義務教育指導班主査が二十七年度全国学力・学習状況調査の結果を説明。本年度の道内の結果について、中学校国語Ａは全国平均とほぼ同様、小・中学校ともに、すべての教科で全国との差は三ポイント以内となるなど、改善傾向にあることを説明した一方で、中学校数学Ｂは差が拡大したことを示した。三年ぶりの実施となった理科は、小学校で差が縮小し、中学校で全国平均を上回るなど、具体的な結果を示した上で、「学校・地域の取組が一定の成果として現れた」とした。

　続いて、黒田調査官が「全国学力・学習調査結果を活用した授業について」と題して講演した。

　はじめに、中学校の国語でグループワークを活用した授業の動画を視聴。国語の言語活動の方法について、調査結果の状況を詳しく分析することがスタートになるとした。

　また、これまでも明らかになっている教科の平均正答率等と関係のある指導例として、「考えを発表する機会を与える指導」「調べたことや考えたことを分かりやすく文章に書かせる指導」など五点を挙げた。さらに、「先生方は、全国学力・学習状況調査について、小学校・中学校両方の問題を解いて、学習内容がつながっていることを知ってもらえれば」と話した。

　特に、授業改善の方策として「リフレクションシート」を各校で活用することを強く期待した。

(道・道教委 2015-10-20付)