かかわり基盤に問題解決を 札幌で道社会科・生活科研究大会開く
(関係団体 2015-10-28付)

道社会科・生活科研究大会
道社会科・生活科研究大会

 第六十八回道社会科教育研究大会および第二十五回道生活科研究大会が二十三日、札幌市立東栄中学校で開かれた=写真=。約百六十人が参加。公開授業や分科会、講演会などを通して、「未来を創る社会科」や、「人とのかかわりを重視した生活科の在り方」について理解を深めていた。

 道社会科教育研究会(吉呑正美会長)、道生活科研究会(山本豊会長)の共催。道社会科教育研究会の研究テーマは「未来を創る社会科教育」、研究主題は「主体的に社会に参画できる児童生徒の育成~習得した知識・技能を活用し協働して問題解決に向かう学習を通して」。少子高齢化社会、グローバル化の進展など社会や職業の在り方が大きく変化する厳しい挑戦の時代の中では、「自立した一人ひとりが協働して問題を解決する力」が必要と考え、研究を進めてきた。

 一方、道生活科研究会の研究主題は「ときめく出会い ひびきあう活動 かがやく心~伸びる喜び 育ちへの実感 確かで豊かな生きる力を育む学びの創造」。①人とのかかわり合いを重視し、人から学ぶという意識②人とともに学ぶという方法③人を学ぶという内容―を、価値ある三つの学びと位置付けて研究してきた。

 大会では冒頭、吉呑会長があいさつ。道社会科教育研究会の創設経緯にふれるとともに、一貫して道内の社会科教育の充実発展を願って研究を続けてきたことを振り返った。

 その上で、「先行きが不透明な時代を生き抜くためには、社会の様々な問題に主体的に取り組み、解決していく力、一人では解決が難しい問題を他者と協働して解決する社会参画が必要」とし、「未来を創る社会科教育の大切さ」を強調した。

 山本会長は、道生活科研究会の設立以降、「自立の基礎を養う」生活科を目指して研究し、「人とのかかわり」に視点を当てた授業づくりを行ってきたことを説明。「生活科のさらなる充実・進化を目指して積極的に討議してほしい」と呼びかけた。

 このあと、札幌市教委の檜田英樹教職員担当部長、全国中学校社会科教育研究会の石上和宏会長が祝辞。檜田部長は、社会参加について日本の若者の意識が諸外国と比べて相対的に低いことを指摘し、「生活科において育まれた人とのかかわりを基盤に、社会科で習得した知識・技能を活用する力、協働して問題を解決する力を育んで」と期待を寄せた。

 両研究会の研究概要を報告したあと、同校を会場に、小学校二年生生活科一授業および六年生社会科一授業、中学校社会科の三授業の計五授業を公開した。

 授業後は、小学校生活科・社会科、中学校の地理、歴史、公民それぞれで分科会を実施したほか、広島大学大学院教育学研究科の小原友行教授が「主体的に社会に参画できる児童生徒を育成する社会科の創造~協働して問題解決に向かう学習を求めて」と題して講演。主体的に社会に参画する児童生徒を育てる社会科、主権者教育の在り方などについて、今後の方向性を示した。

(関係団体 2015-10-28付)

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