自治労北学労第38回定期大会 公教育の無償化へ取組を 2016年度運動方針決定(関係団体 2015-10-28付)
自治労北海道学校事務労働組合(平野正志執行委員長)は二十一日、札幌市内のかでる2・7で第三十八回定期大会を開いた。教職員給与費の政令指定都市移譲に向けた賃金・労働条件の確立や、事務職員の職の環境構築に取り組むとともに、職を通じて子どもの貧困対策に取り組み、公教育の無償化を目指すことなどを基本とした二〇一六年度運動方針を決めた。
冒頭、あいさつに立った平野執行委員長は「中教審の〝チーム学校〟論で、過去に例をみないほど学校の事務職員もクローズアップされてきている。チーム学校の大きな柱は〝多様な専門性や経験をもった職員の配置〟。そうした資格職がどんどん投入されてくる中で、我々がどんな立ち位置で、どんな役割を発揮できるかが問われる」などと現状を分析。
「私たち事務職員が、昨今の学校の高度化・複雑化する課題に対し、現場において教育職員とは違った視点、もち得なかった視点と手法で、これまでの経験と関係部署や機関とのネットワークを活用し、地域を含めた外部を巻き込んで解決する役割を果たす、そのことで子どもの学びの質の維持・向上に資することが目指すべき方向性」との考えを示し、「行政職員としての当たり前の視点や資質」を備える必要性を挙げた。
その上で、「必要な職制を整備し、組合員一人ひとりが望むワークライフバランスを、より責任のある立場で大きな課題に調整したい、あるいは、職位と責任を高めるよりも、身の丈で子どもたちの笑顔を見ながら心豊かに働きたい、そういった多様な働き方を可能とするキャリアラダーの構築を果たしたい」と述べた。
さらに、「旧来の常識や経験が意味をもたなくなる可能性がある今、私たち組合員が全員でしっかりと議論し、先見性をもって運動を組み立て、将来にわたって自分と家族の生活を守る運動を継続したい」と表明した。
大会では、二〇一六年度運動方針を決定。「運動の基調」では、①教職員給与費の政令指定都市移譲にかかる賃金・労働条件の確立に全力で取り組み、現行を最低限とする適正な水準と必要な移行措置を確保する②事務職員の職の在り方検討に積極的にかかわり、多様な働き方、キャリアパスを確保し、誰もが自分に合ったワークライフバランスを求めることができるよう、職の環境構築に取り組む③要求実現に向け、組織の強化拡大を推進し、人材・担い手の育成を図り、持続可能な運動体制の構築に取り組む④貧困の連鎖を断ち切るため、職を通じて子どもの貧困対策に取り組み、公教育の無償化を目指す―など七点を基本に運動を進めることを決めた。
「重点課題とたたかいの進め方」では、学校事務職員として、「子どもの貧困問題を職域の課題ととらえ、最終的には公教育無償化の実現を見据えながら、学校財務や教育扶助にかかる事務等を通して、学校現場で子どもの貧困対策に一定の役割と姿勢を打ち出す必要がある」ことを確認し、「まちづくりと教育と福祉をつなぐ役割として、学校に存在する意義を強く打ち出すことで、センター化構想や合理化に抗し、その存在意義を普遍のものとすることを目指す」との姿勢を掲げた。
また、「政令指定都市における新たな事務職員制度の構築」「賃金労働条件の改善と定数確保」「公正・公平な人事制度の確立」「公教育無償化の推進」などに取り組むことを提起した。
(関係団体 2015-10-28付)
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